証拠・文書群
本サイトで参照する主な資料
はじめに
本ページでは、本サイトで述べている事実、時系列、供述形成過程、無罪推定原則の侵害、救済活動の経過、法的主張を支える主な資料を整理する。
本件は、単なる記憶や感情に基づいて述べているものではない。
判決書、供述調書、実況見分調書、議会議事録、新聞報道、裁判所提出書面、市及び議会への申入書、情報公開資料等に基づき、事実関係と制度的問題を検証している。
なお、資料の中には、個人情報、著作権、第三者の権利、資料の性質等の理由により、全文を掲載しないものがある。
その場合でも、本サイトでは、資料の存在、作成日、内容の要旨、どの論点に関係する資料であるかを明示する。
刑事事件関係資料
判決書
Skip to PDF content2012年(平成24年)1月16日、福島地方裁判所郡山支部において言い渡された判決である。
本件刑事事件における罪となるべき事実、証拠の標目、法令の適用、量刑理由を確認するための基本資料である。
特に、次の点を確認するために重要である。
事故時刻が「午後7時40分頃」と認定されていること。
呼気1リットル中0.71ミリグラムのアルコール分が検出されたこと。
「須賀川市民に与えた衝撃と失望は軽視できない」とする量刑理由が記載されていること。
証拠の標目に、辞職勧告決議に賛成した市議会議員2名の検察官に対する供述調書が掲げられていること。
※1ページ下部の※赤文字は、管理者による補足である。
起訴状
Skip to PDF content2011年(平成23年)11月9日に起訴された刑事事件の起訴状である。
起訴された罪名、起訴事実、事故時刻、事故場所、道路交通法違反の内容を確認するための資料である。
事故時刻が「午後7時40分頃」と整理されている点は、第3部「残された合理的疑い」における事故時刻の検証と関係する。
供述調書
本件では、逮捕後から起訴前までの間に、複数の供述調書が作成されている。
主な供述調書は次のとおりである。
2011年(平成23年)10月19日付供述調書。
2011年(平成23年)10月20日付供述調書。
2011年(平成23年)10月22日付供述調書。
2011年(平成23年)10月25日付供述調書(第1通)。
2011年(平成23年)10月25日付供述調書(第2通)。
2011年(平成23年)11月2日付検察官面前調書。
これらの資料は、供述形成過程、記憶欠落、事故時刻の変遷、運転代行への連絡、通常とは異なる経路、捜査資料による供述整理の有無を検証するための中心資料である。
本サイトでは、これらの供述調書について、単に「供述がある」という点ではなく、その供述が本人の独立した記憶に基づくものなのか、それとも記憶が欠けている部分について捜査側資料を前提に補完・再構成されたものなのかを検証している。
一方で、供述調書その他の関係資料には、刑事手続において開示された証拠資料として、慎重に取り扱うべきものが含まれている。
本サイトでは、刑事訴訟法上の証拠資料の取扱いに関する規定を踏まえ、供述調書等の原本画像、切抜き画像及び逐語的な全文転載は行わない。
また、一般の閲覧希望者に対する個別の提示又は提供も行わない。
もっとも、これらの資料は、本件における供述形成過程を検証するための中心資料である。このため、本サイトでは、各供述調書の作成日、記載内容の概要及び供述の変遷を整理し、本人の記憶が欠落している部分について、どのような捜査資料を前提として供述が形成されたのかを検証する。
2011年10月19日付供述調書
逮捕当日に作成された初回供述調書である。
出生、養子関係、経歴、職歴、市議会議員となった経緯、飲酒習慣、事故概要等が記載されている。
この時点では、弁護士関与を示す資料は確認できない。
初期取調べの状況、本人の心理状態、供述形成過程を検証するための資料である。
2011年10月20日付供述調書
会派親睦会、飲酒経緯、飲酒量、運転代行、事故発覚等に関する記載がある。
事故直後の供述内容、飲酒及び代行連絡に関する認識を確認するための資料である。
同日付の新聞報道では、飲酒したこと及び事故を起こしたことは認めているが、飲酒運転については否認している旨が報じられている。
2011年10月22日付供述調書
店を出た後の記憶、運転経路、事故現場に至る経緯、当初否認した理由等に関する記載がある。
通常の帰宅経路とは異なる経路を通ったこと、またその経路が普段利用していた運転代行業者が使用する経路である趣旨の供述と関係する資料である。
本人の記憶状態、運転経路、供述の推測性を検証するために重要である。
2011年10月24日付実況見分調書
市役所駐車場から事故現場までの経路、距離、見取図等に関する資料である。
後の刑事手続では、市役所駐車場から事故現場まで約11.5キロメートル走行したものとされている。
この資料は、呼気0.71mg/L、朦朧状態との評価、約11.5キロメートル走行認定、通常とは異なる経路の問題を検証するために重要である。
2011年10月25日付供述調書(第1通)
10月24日の実況見分調書に基づく運転経路、酒酔い鑑識カード、運転代行への連絡、事故時刻等に関する記載がある。
この段階では、事故時刻について「午後7時50分」とする供述が記載されている。
後の11月2日付検察官面前調書において事故時刻が「午後7時40分」と整理されるため、この調書は事故時刻の変遷を確認するために重要である。
2011年10月25日付供述調書(第2通)
飲酒したハイボールの銘柄、グラス、飲酒量に関する訂正・補充が記載されている。
飲酒量、飲酒状況、呼気濃度との関係を検証するための資料である。
2011年11月2日付検察官面前調書
福島地方検察庁郡山支部において作成された検察官面前調書である。
運転代行業者への発信・着信履歴、午後7時09分の発信、午後7時14分の発信、午後7時30分の着信等が記載されている。※公開上の配慮から、代行業者を匿名化した。
また、事故時刻が「午後7時40分」と整理されている。
この資料は、事故時刻が午後7時50分頃から午後7時40分頃へ整理された経過、代行連絡、通話履歴、供述形成過程を検証するための中心資料である。
弁護士計算書・精算書関係
Skip to PDF content弁護士法人けやき法律事務所作成の計算書には、2011年(平成23年)10月21日に父から実費預り金20,000円を受領した旨の記載がある。
この資料は、少なくとも10月21日以降に弁護士関与が具体化したことを示す資料である。
一方で、10月19日及び10月20日の取調べ時点では、弁護士関与を示す資料は確認できない。
この点は、逮捕直後の初期取調べ、弁護士関与が具体化する前の供述形成過程を検証するために重要である。
須賀川市議会関係資料
第1回辞職勧告決議議事録
Skip to PDF content2011年(平成23年)10月26日に可決された第1回辞職勧告決議に関する議会議事録である。
この決議は、起訴前・勾留中・本人欠席の状態で行われた。
本件における無罪推定原則の侵害を検証するための中心資料である。
第2回辞職勧告決議議事録
Skip to PDF content2011年(平成23年)12月1日に可決された第2回辞職勧告決議に関する議会議事録である。
この決議は、初公判前・有罪判決前に行われた。
提案理由では、圓谷年雄が「飲酒運転を認めた」ことや、「在職中に飲酒運転をした」ことを前提とする趣旨の発言がなされている。
この資料は、判決前の公的有罪視、無罪推定侵害、第4部の中心論点を示す資料である。
第3回辞職勧告決議議事録
Skip to PDF content2012年(平成24年)2月9日に可決された第3回辞職勧告決議に関する議会議事録である。
この決議は、有罪判決言渡し後、判決確定後に行われた。
判決前の無罪推定侵害そのものとは区別しつつ、制度的外圧の継続性を確認するための資料である。
第4回辞職勧告決議議事録
Skip to PDF content2012年(平成24年)3月1日に可決された第4回辞職勧告決議に関する議会議事録である。
提案理由において、「偽善者」という表現が用いられている。
この資料は、辞職要求が反復され、社会的・政治的圧力として継続したことを示す資料である。
2011年11月24日議員全員協議会関係資料
2011年(平成23年)11月24日に開かれた議員全員協議会に関する資料である。
この場での発言が、後に「飲酒運転を認めた」とする趣旨で扱われ、第2回辞職勧告決議の根拠とされた。
この資料は、初公判前の議会対応、本人発言の扱い、無罪推定原則との関係を検証するために重要である。
市長施政方針演説
2012年(平成24年)3月1日、第4回辞職勧告決議の後に行われた橋本克也市長の施政方針演説に関する資料である。
同演説では、4度の辞職勧告決議を「須賀川市制始まって以来の異常な事態」などと述べた上で、議員本人の判断に言及している。
この資料は、議会決議、行政発言、社会的圧力、議員辞職との関係を検証するために重要である。
議会外組織関係資料
市内で配布された議員辞職要求文書
Skip to PDF content須賀川市内において、実際に配布された文書。
文書の表題は、「圓谷年雄氏に対して議員辞職を促す会」とされている。
本文には、逮捕・起訴の事実、議員報酬及び期末手当の金額、議会への出欠状況、須賀川市議会が2度にわたり辞職勧告決議を行ったことなどが記載されている。
末尾には、次のように記載されている。
「以上の主旨のもと、圓谷年雄氏の議員辞職を促すものであります。」
「賛同者の運動に同意をお願いいたします。」
「発起人代表 菊地忠男」
この文書には、作成日及び配布日の記載がない。
ただし、本文には、須賀川市議会が既に2度にわたり辞職勧告決議を行ったこと、また、2011年12月定例会における議会への出欠状況が記載されている。
そのため、文書が作成された時期は、少なくとも2011年12月定例会の経過が明らかになった後であると考えられる。
正確な作成日、配布開始日、配布部数及び配布範囲の詳細は、現時点では確認できない。
本資料は、刑事裁判が進行していた時期に、須賀川市内でどのような文書が配布され、どのような社会的状況が形成されていたのかを確認するために掲載する。
文書の内容に対する評価及び無罪推定原則との関係については、「第4部 無罪推定原則の侵害」において検証する。
後の2012年(平成24年)2月23日には、福島民報にて「円谷市議の議員辞職を求める会」が発足し、圓谷年雄を除く市議会議員27人が参加したと報じられている。
これは、辞職要求が議会内にとどまらず、議会外の組織化された圧力として展開されたことを示す事実である。
出典:2012年(平成24年)2月24日、議会外組織に関する報道
報道資料
福島民報
福島民報は、本件について、逮捕翌日から議員辞職許可に至るまで継続的に報道している。
主な報道内容は次のとおりである。
2011年(平成23年)10月20日、逮捕翌日の報道。
2011年(平成23年)10月21日、議長会見及び辞職勧告決議案提出方針に関する報道。
2011年(平成23年)10月22日、事故時刻を「午後7時50分ごろ」とする報道。
2011年(平成23年)10月27日、第1回辞職勧告決議可決に関する報道。
2011年(平成23年)11月10日、起訴に関する報道。
2011年(平成23年)11月25日、議員全員協議会に関する報道。
2011年(平成23年)12月2日、第2回辞職勧告決議可決に関する報道。
2012年(平成24年)1月17日、有罪判決に関する報道。
2012年(平成24年)2月10日、第3回辞職勧告決議に関する報道。
2012年(平成24年)2月24日、議会外組織に関する報道。
2012年(平成24年)3月2日、第4回辞職勧告決議及び市長発言に関する報道。
2012年(平成24年)3月7日、辞職許可に関する報道。
これらの報道は、事件の社会的拡散、議会対応、報道による予断形成、社会的非難の形成を検証するための資料である。
福島民友
福島民友も、本件について継続的に報道している。
主な報道内容は次のとおりである。
2011年(平成23年)10月20日、逮捕翌日の報道。
2011年(平成23年)10月21日、議長会見及び飲酒状況に関する報道。
2011年(平成23年)10月27日、第1回辞職勧告決議に関する報道。
2011年(平成23年)11月10日、起訴に関する報道。
2011年(平成23年)11月25日、議員全員協議会に関する報道。
2011年(平成23年)12月2日、第2回辞職勧告決議に関する報道。
2011年(平成23年)12月27日、初公判及び検察側冒頭陳述に関する報道。
2012年(平成24年)1月17日、有罪判決に関する報道。
2012年(平成24年)2月10日、第3回辞職勧告決議に関する報道。
2012年(平成24年)3月2日、第4回辞職勧告決議及び市長発言に関する報道。
2012年(平成24年)3月6日、辞職届提出に関する報道。
2012年(平成24年)3月7日、辞職許可に関する報道。
福島民友の報道は、運転代行業者を呼んだものの待ちきれずに自分で運転したとする検察側冒頭陳述、辞職届提出の理由、市長発言との関係を確認するための資料でもある。
救済活動関係資料
日本弁護士連合会関係資料
令和6年3月7日、圓谷年雄は、日本弁護士連合会に対し、本件について人権救済申立て及び再審支援申立てを行った。
申立ての中心は、判決前の公的有罪視、無罪推定侵害、供述形成過程、公正裁判侵害、不利益供述強要禁止違反、及び実効的救済不提供の問題であった。
その後、令和6年10月23日、日本弁護士連合会は「支援不相当」とする決定を行った。
これらの資料は、判決確定後に圓谷年雄が制度内で救済を求めた経過、及びその救済が実現しなかった事実を確認するための資料である。
なお、申立書及び決定文については、個人情報、関係者名、受付番号、連絡先等を必要に応じて加工した上で、公開範囲を調整する。
裁判所提出書面
裁判所に提出した意見書、申入書、質問状兼申入書、人権侵害救済・是正申立書等である。
これらの資料は、判決前の公的有罪視、無罪推定侵害、公正裁判侵害、不利益供述強要禁止違反及び実効的救済義務違反を主張するために作成・提出したものである。
また、裁判所が提出書面に事件番号を付し、再審請求事件として取り扱った経過を確認するためにも重要である。
本件について裁判所に提出した主な書面は、次のとおりである。
2025年(令和7年)4月28日
裁判所宛意見書
Skip to PDF content Skip to PDF content判決前の辞職勧告決議、勾留延長、有罪判決及び記録廃棄等の問題について、憲法及び刑事訴訟法の観点から是正を求めた文書である。
この書面は、裁判所において再審請求事件として取り扱われ、事件番号が付された経過を確認するためにも重要である。
2026年(令和8年)3月31日
無罪推定侵害下における刑事確定判決の効力及び司法救済に関する質問状兼申入書
Skip to PDF content判決前の公的有罪視及び無罪推定侵害の下で進行した刑事手続について、裁判所に法的見解及び救済の在り方を問うために提出した文書である。
2026年(令和8年)5月15日
無罪推定侵害及び公正裁判侵害等に関する人権侵害救済・是正申立書
Skip to PDF content判決前の公的有罪視、無罪推定侵害、公正裁判侵害、不利益供述強要禁止違反及び実効的救済義務違反について、是正措置を求めるために提出した文書である。
これらの資料は、本件について裁判所に対し、どのような問題を指摘し、どのような救済を求めてきたのかを確認するための資料である。
須賀川市宛文書
2025年(令和7年)4月3日
意見書
Skip to PDF content須賀川市に対し、過去の辞職勧告決議、事実証明書、現在の市の対応、憲法及びICCPRとの関係について、説明及び是正を求めた文書である。
2025年(令和7年)4月23日
須賀川市及び須賀川市議会関係者による法律相談資料
上記申入書、下記須賀川市議会陳情書を受け、須賀川市及び須賀川市議会関係者は、須賀川市社会福祉課が須賀川市社会福祉協議会に委託して実施している無料法律相談の枠を利用し、弁護士に対して法律相談を行った。
以下に掲載する資料は、その法律相談の内容、相談後の対応方針及び須賀川市による回答案等をまとめた内部文書である。
Skip to PDF contentなお、本資料は、情報公開請求により取得したものである。4枚目には、明確に、「逮捕されているため、有罪に近い推定がなされても問題ない。」との記載がある。
特に、過去の辞職勧告決議を「適正に処理した」とする趣旨の対応が、現在も無罪推定侵害を肯定するものとなっていないかを検証する上で重要な資料である。
須賀川市議会宛文書
須賀川市議会に対し、第1回及び第2回辞職勧告決議が無罪推定原則に反していないか、また過去の決議について検証・是正する意思があるかを問う文書である。
市議会が、判決前の辞職勧告決議について、現在どのように評価しているのかを確認するための資料である。
住民監査請求関係資料
須賀川市及び須賀川市議会の対応について、財務会計上の問題、公金支出、怠る事実等の観点から提出した住民監査請求関係資料である。
本件の無罪推定侵害が、議会運営、議事録作成、関連支出、現在の是正不作為とどのように関係するのかを検証するための資料である。
住民訴訟関係資料
住民監査請求後の住民訴訟に関する資料である。
本件では、単なる公金支出の問題ではなく、無罪推定侵害を伴う議会対応及びその後の市の対応が、財務会計上どのような意味を持つのかが問題となっている。
国際人権法・法令資料
市民的及び政治的権利に関する国際規約(ICCPR・自由権規約)
国際人権規約(ICCPR)とは
国際人権規約は、世界人権宣言の内容を条約として具体化したものであり、人権諸条約の中でも最も基本的かつ包括的なものの一つである。
国際人権規約は、社会権規約と自由権規約から成り、1966年に国連総会で採択され、1976年に発効した。日本は1979年に批准している。
このうち、自由権規約は「国際人権B規約」とも呼ばれ、生命、身体の自由、公正な裁判、無罪推定、表現の自由、名誉及び信用の保護など、市民的及び政治的権利を保障している。
本件との関係では、とりわけ、自由権規約第2条3項が定める実効的救済、第9条が定める身体の自由、第14条1項が定める公正な裁判、第14条2項が定める無罪推定、第14条3項(g)が定める不利益供述強要の禁止、及び第17条が定める名誉及び信用の保護が重要となる。
自由権規約委員会一般的意見とは
自由権規約委員会一般的意見は、国際人権規約のうち、市民的及び政治的権利に関する国際規約(ICCPR・自由権規約)の内容について、国連自由権規約委員会が示した解釈指針である。
ICCPRの各条文が保障する権利の内容や、締約国が果たすべき義務を具体的に理解するための重要な資料である。
本件との関係では、特に一般的意見31号及び一般的意見32号が重要となる。
自由権規約委員会一般的意見31号
一般的意見31号は、ICCPRに基づく締約国の一般的な法的義務について示した文書である。
ICCPR上の義務は、一部の行政機関だけに課されるものではなく、立法、行政、司法を含む国家全体に及ぶ。
また、規約上の権利が侵害された場合には、形式的に救済制度が存在するだけでは足りず、実際に利用可能で実効性のある救済が確保されなければならない。
本件との関係では、無罪推定侵害、公正裁判侵害及び不利益供述強要禁止違反が具体的に指摘された後も、実質的な審査及び是正措置が講じられていない点が問題となる。
自由権規約委員会一般的意見32号
一般的意見32号は、ICCPR14条が保障する、裁判所の前の平等、公正な裁判及び無罪推定について示した文書である。
同意見は、公正な裁判を受ける権利が、人権保障の中核であり、法の支配を守るための手続的保障であることを明らかにしている。
また、無罪推定について、公的機関は裁判結果を先取りしてはならず、被疑者又は被告人が有罪であることを前提とする公的発言を慎まなければならないとしている。
本件との関係では、判決前に須賀川市議会が辞職勧告決議を可決し、さらに公判開始前の議場において、飲酒運転を認めたこと及び在職中に飲酒運転をしたことを前提とする発言がなされた点が、無罪推定との関係で重大な問題となる。
国内法よる免脱の禁止、実効的救済義務、救済不提供それ自体の問題を整理するために用いる。
自由権規約委員会の個人通報事例
本件に関係する自由権規約委員会の判断例として、次の事例がある。
Gridin v. Russian Federation
文書番号:CCPR/C/69/D/770/1997
公的機関による判決前の有罪視と、ICCPR14条2項が保障する無罪推定との関係を検討する上で重要な事例である。
Gridin v. Russian Federation 国連公式文書
Larrañaga v. Philippines
文書番号:CCPR/C/87/D/1421/2005
見解採択日:2006年7月24日
公的機関による判決前の有罪視、報道による拡散、刑事手続を取り囲む外部的圧力、無罪推定及び公正な裁判との関係を検討する上で重要な事例である。
Larrañaga v. Philippines 国連デジタルライブラリー
条約法に関するウィーン条約27条
国内法を理由として条約不履行を正当化することはできないとする規定である。
日本国憲法
本件では、主に次の条項が関係する。
第13条 ― 個人の尊重、名誉、人格権。
第31条 ― 適正手続。
第37条 ― 公平な裁判所による公正な裁判。
第38条 ― 不利益供述強要禁止及び自白法則。
第76条 ― 司法判断に先行する公的有罪視の問題。
第98条第2項 ― 条約遵守義務。
第99条 ― 公務員の憲法尊重擁護義務。
刑事訴訟法
本件では、主に次の条文が関係する。
第1条 ― 人権保障と真実発見。
第319条 ― 自白法則。
第320条 ― 伝聞法則。
第336条 ― 犯罪の証明がない場合の無罪。
地方自治法
本件では、地方議会の権限、政治的意思表示としての辞職勧告決議、解職請求、住民監査請求、住民訴訟等との関係で問題となる。
特に、地方議会が政治的意思表示として辞職勧告決議を行う場合であっても、憲法及びICCPRに反する形で無罪推定を侵害してよいわけではない。
資料の公開方針
本サイトでは、可能な限り、公的資料、議会議事録、判決書、供述調書、情報公開資料等に基づいて記述する。
ただし、以下の資料については、全文掲載を控える場合がある。
個人情報を含む資料。
第三者の名誉・プライバシーに関わる資料。
著作権上の制約がある新聞記事等。
裁判所提出書面や申立書のうち、公開範囲を調整すべき資料。
その場合でも、本サイトでは、資料の作成日、資料の性質、示している事実、関係する論点をできる限り明示する。
小括
本ページでは、本サイトで参照する主な証拠・文書群を整理した。
本件の検証は、感情的主張や推測に基づくものではない。
判決書、供述調書、実況見分調書、酒酔い鑑識カード、弁護士計算書、議会議事録、新聞報道、裁判所提出書面、市及び議会への申入書、日弁連関係資料、国際人権法資料、憲法及び法律に基づいて行うものである。
これらの資料を総合すると、本件では、判決前の公的有罪視、無罪推定侵害、供述形成過程、刑事裁判の証拠構造、そして救済不提供の問題が相互に結びついていることが分かる。
本サイトでは、これらの資料をもとに、事実と法的問題を分けながら、順次検証していく。
