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事件の記録と検証

事件の記録と検証

本ページは、2011年(平成23年)に発生した刑事事件、その後の須賀川市議会による辞職勧告決議、刑事手続の進行、判決確定、議員辞職、そして現在に至る救済活動について、公的記録、裁判資料、供述調書、実況見分調書、議会議事録、報道資料等に基づいて整理し、検証するための入口ページです。

本件は、単なる飲酒運転事件の記録ではありません。

本件で検証すべき中心は、有罪判決が確定する前に、公的機関である須賀川市議会が有罪を前提とする辞職勧告決議を行い、その状況の下で、身柄拘束、取調べ、供述形成、起訴、公判での認否及び有罪判決に至ったという構造です。

第1回辞職勧告決議は、2011年(平成23年)10月26日、起訴前の勾留中に可決されました。

その2日前の同月24日には議会運営委員会が開かれ、逮捕を前提として辞職を求める決議文案と、質疑、委員会付託及び討論を省略して表決する手順が整理されていました。

第2回辞職勧告決議は、同年12月1日、第1回公判前かつ有罪判決前に可決されました。

その3日前の同年11月28日には議会運営委員会が開かれ、再度辞職を求める理由、本人除斥、提案理由説明、質疑及び討論の省略、採決並びに可決後の告知手順が整理されていました。

また、本件判決書の「証拠の標目」には、司法警察員に対する第三者3名の各供述調書及び検察官に対する第三者2名の各供述調書が掲げられています。

第三者5名に対する証人尋問及び圓谷年雄側による反対尋問は行われていません。

このうち、検察官に対する供述調書を作成された2名は、第1回及び第2回辞職勧告決議に賛成した須賀川市議会議員でした。

判決書のみからは、各供述調書が採用された具体的な刑事訴訟法上の根拠、弁護側の同意の有無又は各供述調書が具体的にどの事実の認定に用いられたのかは確認できません。

したがって、この事実だけから、各供述が虚偽であったこと、供述調書に証拠能力がなかったこと又は辞職勧告決議が刑事裁判へ直接影響したことを断定するものではありません。

しかし、刑事責任確定前に辞職を求めた公的機関の構成員による供述調書が、同じ刑事事件の検察側証拠となり、供述者本人に対する証人尋問及び反対尋問を経ないまま、有罪判決の証拠構造に組み込まれていたことは、実質的な検証を必要とする事情です。

したがって、本件は、単に「過去に有罪判決が確定した事件」というだけでは整理できません。

供述形成過程、事故時刻の変遷、運転代行業者への連絡、記憶の欠落、実際の走行経路を記憶していない状態で作成された経路資料、判決前の公的有罪視、第三者供述を争う機会、刑事裁判の証拠構造及び実効的救済不提供の問題を含む、刑事手続全体の検証が必要です。

なお、証拠資料の中には、個人情報、著作権又は資料の性質上、全文を掲載していないものがあります。

新聞報道については、公立図書館等で閲覧可能な新聞資料を確認し、著作権に配慮して、報じられた事実の摘示及び必要最小限の引用にとどめています。

供述調書についても、刑事手続、関係者のプライバシー及び公開による影響を考慮し、公開の必要性と範囲を慎重に判断しています。

このページの読み方

本ページは、第1部から第5部までの各ページへの入口です。

各部は、次の役割に分かれています。

[第1部]では、公的記録、判決書、供述調書、実況見分調書、議会議事録及び報道資料等から確認できる事実を整理しています。

[第2部]では、事故発生、逮捕、取調べ、二つの議会運営委員会、4度の辞職勧告決議、起訴、公判、有罪判決、判決確定及び議員辞職までの流れを時系列で整理しています。

[第3部]では、記憶を欠いた状態で形成された推測供述、事故時刻の変遷、運転代行業者への連絡、走行経路、目撃情報、公判での認否、第三者供述調書及び証人審問権等について、有罪認定に残る合理的疑いを検証しています。

[第4部]では、第1回及び第2回辞職勧告決議による判決前の公的有罪視を中心として、無罪推定、公正な裁判、適正手続及び証人審問権との関係を検証しています。

[第5部]では、判決確定後に行われた人権救済申立て、裁判所への意見書及び申入書等の提出、再審請求、人権侵害救済・是正申立て、市及び市議会への是正要求、住民監査請求並びに住民訴訟等の経過と、実効的救済不提供の問題を整理しています。


第1部 事実編 ― 確認できる事実のみ

第1部では、事故発生、逮捕、取調べ、供述調書及び実況見分調書の作成、起訴、初公判、有罪判決、4度の辞職勧告決議、議会外組織、市長発言、議員辞職届提出及び辞職許可まで、確認できる事実を整理しています。

ここでは、法的評価又は解釈をできる限り加えず、公的記録、判決書、供述調書、実況見分調書、議会議事録及び報道資料等から確認できる事項を示しています。

特に、本人が記憶していた事項、記憶していなかった事項、捜査機関から説明された事項及び推測として述べた事項の変化を、各供述調書の作成日順に確認できます。

また、2011年(平成23年)10月24日の実況見分終了約35分後に第1回辞職勧告決議前の議会運営委員会が開かれたこと、第2回決議前にも議会運営委員会が開かれたこと、第1回及び第2回決議の具体的な手順並びに判決書の証拠構造を確認できます。


第2部 時系列時系列 ― 事故発生から判決確定・議員辞職まで

ここで重要なのは、刑事手続と市議会の動きが、どのような順序及び時間的関係で進行したのかという点です。

第1回辞職勧告決議は、起訴前の勾留中に行われました。

第2回辞職勧告決議は、第1回公判前かつ有罪判決前に行われました。

この時系列は、第3部の供述形成過程、第4部の無罪推定侵害及び第5部の実効的救済の問題を理解するための前提となります。


第3部 残された合理的疑い

第3部では、本件の供述形成過程及び有罪認定に残された合理的疑いを検証しています。

本件では、圓谷年雄が、飲食店を出た後、運転を開始した状況、実際の走行経路及び事故に至る経過を記憶していない旨を、複数の供述調書で述べています。

その一方で、後の供述調書では、携帯電話の発着信履歴、車両の駐車場所、実況見分調書、経路図、約11.5キロメートルという距離、第三者の目撃情報及び推定所要時間等を前提として、運転開始、運転目的、走行経路及び事故時刻が構成されています。

第3部では、これらの供述が、本人の独立した体験記憶に基づくものだったのか、それとも、記憶の欠けている部分を捜査側から示された情報により補完し、推測によって構成したものだったのかを検証しています。

また、事故時刻が午後7時50分頃から午後7時40分頃へ変更された経過、実況見分終了約35分後に議会運営委員会が開かれた時間的関係、公判での認否及び判決理由における「須賀川市民に与えた衝撃と失望」についても検証しています。

さらに、判決書に掲げられた第三者5名の供述調書、そのうち2名が辞職勧告決議に賛成した市議会議員であったこと、第三者5名への証人尋問及び反対尋問が行われなかったことを、証拠評価及び証人審問権との関係から検証しています。


第4部 無罪推定原則の侵害

第4部では、本件における最も重大な構造的問題である、判決前の公的有罪視と無罪推定侵害を検証しています。

第1回辞職勧告決議は、起訴前の勾留中に行われました。

第2回辞職勧告決議は、第1回公判前かつ有罪判決前に行われました。

いずれの決議についても、その前に議会運営委員会が開かれ、辞職を求める理由及び本会議における処理手順が整理されていました。

無罪推定は、有罪判決の結果を左右したことが証明された場合にだけ保護される権利ではありません。

有罪判決が確定する前に、公的機関から有罪者として扱われないこと自体が、その保障内容です。

したがって、第4部では、辞職勧告決議が刑事裁判へ具体的な影響を及ぼしたかという問題に先立ち、決議及び提案理由自体が、自由権規約第14条第2項及び一般的意見32号30項に適合していたかを検証しています。

その上で、公的有罪視が存在する状況の下で刑事手続が進行したこと、辞職勧告決議に賛成した市議会議員2名の供述調書が同じ刑事事件の証拠構造に組み込まれていたこと及び第三者供述を実質的に争う機会が保障されていたかを、公正な裁判、適正手続及び証人審問権との関係から検証しています。


第5部 救済を求める活動の経過

第5部では、判決確定後に圓谷年雄が行ってきた救済活動の経過を整理しています。

圓谷年雄は、本件について、日本弁護士連合会への人権救済申立て、裁判所への意見書及び申入書等の提出、再審請求、質問状兼申入書、人権侵害救済・是正申立て、須賀川市及び須賀川市議会への是正要求、住民監査請求並びに住民訴訟等を行ってきました。

本件で求めているのは、単に刑事訴訟法上の再審要件への該当性だけを判断することではありません。

判決前の公的有罪視が無罪推定侵害に当たるか、その状況の下で進行した刑事手続が公正な裁判及び適正手続の保障に適合していたか、第三者供述を争う実質的な機会が保障されていたか、そして現在に至るまで実効的救済が提供されているかを、それぞれ対応する憲法及び条約上の規範に基づいて判断することを求めています。

第5部では、自由権規約第2条第3項、同第14条、一般的意見31号及び32号、憲法第31条、第37条及び第98条第2項等との関係から、救済不提供が現在も継続する人権問題であることを整理しています。


本件で問われること

本件で最初に問われるのは、第1回及び第2回辞職勧告決議並びにその提案理由自体が、自由権規約第14条第2項及び一般的意見32号30項が保障する無罪推定に適合していたかという問題です。

この問題は、辞職勧告決議が捜査、起訴又は有罪判決へ現実に影響したことを証明できるか否かとは独立して判断されなければなりません。

無罪推定は、有罪判決の結果を左右したことが証明された場合にだけ保護される権利ではありません。

有罪判決が確定する前に、公的機関から有罪者として扱われないこと自体が、その保障内容です。

その上で、公的有罪視が存在する状況の下で、身柄拘束、取調べ、供述形成、起訴、公判での認否及び有罪判決が進行したことを、公正な裁判及び適正手続との関係でどのように評価するのかが問われます。

また、判決書に掲げられた第三者5名の供述調書について、供述者本人に対する証人尋問及び圓谷年雄側による反対尋問が行われなかったことを、どのように評価するのかが問われます。

そのうち2名は、第1回及び第2回辞職勧告決議に賛成した須賀川市議会議員でした。

各供述調書の形式上の証拠採用根拠又は弁護側の同意の有無と、供述者本人の記憶、認識、供述経過、決議への関与、立場及び信用性を実質的に争う機会が保障されていたかは、区別して検証されなければなりません。

さらに、後に有罪判決が確定したことによって、判決前の公的機関による無罪推定侵害が遡って治癒されるのかが問われます。

そして、これらの人権問題に対して実質的な調査、判断及び救済を行わない場合、自由権規約第2条第3項が求める実効的救済義務との関係を、どのように説明するのかが問われます。

これらの問いに、国家機関、地方公共団体、市議会及び裁判所は、実質的に答える必要があります。

本ページ及び第1部から第5部では、その判断に必要となる事実、資料及び法的検証を整理しています。

それでは、事件の記録と検証 第1部 事実編 ― 確認できる事実のみへお進みください。

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