事件の記録と検証
本ページは、2011年に発生した刑事事件、その後の須賀川市議会による辞職勧告決議、刑事手続の進行、判決確定、議員辞職、そして現在に至る救済活動について、公的記録・裁判資料・供述調書・議会議事録・報道資料等に基づいて整理し、検証するための入口ページです。
本件は、単なる飲酒運転事件の記録ではありません。
本件で検証すべき中心は、判決確定前に公的機関である須賀川市議会が有罪を前提とする辞職勧告決議を行い、その状態の下で、勾留、取調べ、供述変遷、起訴、公判での認否、有罪判決に至ったという構造です。
また、本件では、判決前の辞職勧告決議に賛成した市議会議員2名の供述調書が、同じ刑事事件において検察側証拠として提出され、判決書の証拠標目にも掲げられています。
したがって、本件は、単に「過去に有罪判決が確定した事件」というだけでは整理できません。
供述形成過程、事故時刻の変遷、運転代行への連絡、記憶欠落、通常の帰宅経路との関係に疑問が残る走行経路、判決前の公的有罪視、刑事裁判の証拠構造、そして救済不提供の問題を含む、刑事手続全体の検証が必要です。
なお、証拠資料の中には、著作権や資料の性質上、全文を掲載できないものがあります。
新聞記事については、公立図書館等で閲覧可能な新聞アーカイブ、議会議事録、公的文書、判決書、供述調書等を基礎として構成しています。
このページの読み方
本ページは、第1部から第5部までの各ページへの入口です。
各部は、それぞれ役割を分けています。
第1部では、確認できる事実を整理しています。
第2部では、事故発生から判決確定、議員辞職までの流れを時系列で整理しています。
第3部では、供述形成過程、記憶欠落、事故時刻、運転代行への連絡、経路、目撃情報、公判での認否など、有罪認定に残された合理的疑いを検証しています。
第4部では、須賀川市議会による判決前の辞職勧告決議が、無罪推定原則を侵害した問題を整理しています。
第5部では、判決確定後の救済活動、裁判所への意見書・申入書、再審請求事件としての取扱い、人権侵害救済・是正申立て、須賀川市及び須賀川市議会への是正要求等を整理しています。
第1部 事実編 ― 確認できる事実のみ
第1部では、事故発生、逮捕、取調べ、供述調書、実況見分調書、起訴、初公判、有罪判決、辞職勧告決議、議員辞職まで、確認できる事実を整理しています。
ここでは、法的評価や解釈をできる限り加えず、公的記録・判決書・供述調書・議会議事録・新聞報道等から確認できる事項を整理しています。
特に、供述調書等の作成日、判決書の証拠標目、4度の辞職勧告決議、議会外組織、市長発言、議員辞職に至る経過を確認できます。
第2部 時系列時系列 ― 事故発生から判決確定・議員辞職まで
第2部では、2011年(平成23年)10月18日の事故発生から、逮捕、検察官送致、供述調書作成、第1回辞職勧告決議、勾留延長、検察官取調べ、起訴、第2回辞職勧告決議、初公判、有罪判決、判決確定、さらに第3回・第4回辞職勧告決議、議員辞職までの流れを時系列で整理しています。
ここで重要なのは、刑事手続と市議会の動きが、どの順序で進行したのかです。
第1回辞職勧告決議は、起訴前・勾留中に行われています。
第2回辞職勧告決議は、初公判前・有罪判決前に行われています。
この時系列は、第3部の供述形成過程及び第4部の無罪推定原則の侵害を理解するための前提となります。
第3部 残された合理的疑い
第3部では、本件有罪認定に残された合理的疑いを整理しています。
中心となるのは、供述調書の形成過程です。
本件の供述調書には、店を出た後の行動、運転開始、運転経路、事故現場に至るまでの経過について、本人が明確に記憶していない趣旨の記載が複数存在します。
その一方で、後日の調書では、実況見分調書、酒酔い鑑識カード、運転代行業者への発信・着信履歴、目撃情報等を前提として、事故時刻、運転経路、事故現場に至る経緯が整理されています。
したがって、第3部では、その供述が本人の独立した記憶に基づくものだったのか、それとも記憶の欠けている部分を捜査側資料によって補完・再構成したものだったのかを検証しています。
また、事故時刻が午後7時50分頃から午後7時40分頃へ整理された点、運転代行業者への連絡、呼気0.71mg/Lと約11.5km走行認定、通常の帰宅経路との関係に疑問が残る走行経路、目撃情報、公判での自白、判決理由における「市民の衝撃と失望」についても検証しています。
第4部 無罪推定原則の侵害
第4部では、本件における最も重大な構造的問題である、無罪推定原則の侵害を扱っています。
本件では、刑事責任が確定していない段階で、公的機関である須賀川市議会が、圓谷年雄を有罪であるかのように扱い、辞職勧告決議を行いました。
第1回辞職勧告決議は、起訴前・勾留中に行われています。
第2回辞職勧告決議は、初公判前・有罪判決前に行われています。
さらに、その決議に賛成した市議会議員2名の供述調書が、刑事判決の証拠標目に掲げられていた点についても検証しています。
この点において、本件の無罪推定侵害は、単なる議会内の政治的意思表示や外部的な社会的雰囲気にとどまらず、刑事裁判の証拠構造にも接続していた問題です。
第4部では、ICCPR第14条第2項、一般的意見32号30項、憲法31条・37条・38条との関係から、この問題を検証しています。
第5部 救済を求める活動の経過
第5部では、判決確定後に圓谷年雄が行ってきた救済活動の経過を整理しています。
圓谷年雄は、本件について、裁判所に意見書及び申入書等を提出してきました。
それに対し、裁判所は事件番号を付し、再審請求事件として取り扱いました。
しかし、圓谷年雄が問題としている核心は、単に刑事訴訟法上の再審要件に該当するかどうかに尽きるものではありません。
問題は、判決前の公的有罪視、無罪推定侵害、公正裁判侵害、不利益供述強要禁止違反、そして実効的救済義務違反です。
第5部では、日本弁護士連合会への人権救済申立て、裁判所への意見書・申入書、再審請求事件としての取扱い、質問状兼申入書、人権侵害救済・是正申立て、須賀川市及び須賀川市議会への是正要求、住民監査請求・住民訴訟等の経過を整理しています。
本件で問われること
本件で問われるのは、判決確定前に公的機関が有罪を前提とする判断を行い、その状態の下で刑事手続が進行したことを、憲法及び国際人権法上どのように評価するのかという問題です。
刑事訴訟法上の形式的処理だけでは、この問題に答えることはできません。
無罪推定が侵害された状態の下で進行した刑事手続を、なお適正手続・公正裁判として維持できるのか。
判決前の辞職勧告決議に賛成した市議会議員の供述調書が、刑事裁判の証拠構造に含まれていたことをどう評価するのか。
判決が確定していることによって、判決前の無罪推定侵害は治癒されるのか。
救済しない場合、ICCPR第2条第3項に照らして、実効的救済不提供の問題が生じないのか。
これらの問いに、国家機関、地方公共団体、市議会、裁判所は、実質的に答える必要があります。
本ページ及び各部では、そのための基礎となる事実と検証を整理しています。
それでは、事件の記録と検証 第1部 事実編 ― 確認できる事実のみへお進みください。
