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統合検証―逮捕から第2回辞職勧告決議までの刑事手続、報道、供述の変遷及び市議会対応

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逮捕から第2回辞職勧告決議まで

刑事手続、報道、供述の変遷及び市議会対応の時系列

はじめに

須賀川市議会は、2011年10月26日及び同年12月1日、圓谷年雄議員に対する辞職勧告決議を可決した。

第1回辞職勧告決議は、本人が起訴される前であり、勾留中に行われた。
第2回辞職勧告決議は、起訴後ではあるものの、初公判前に行われた。

この二つの決議は、それぞれ孤立した出来事ではない。

逮捕後、本人の身柄拘束及び取調べが続く中で、新聞報道が行われ、市議会による辞職勧告決議が可決された。
その後も勾留下で取調べは継続し、当初、午後7時50分頃として扱われていた事故時刻は、午後7時40分頃へ変更された。

そして、変更後の時刻が、起訴状及び判決で採用された。

本ページは、各証拠記事に掲載された一次資料を横断し、逮捕から第2回辞職勧告決議までの経過を複合的に検証するためのページである。個別資料の詳細については、それぞれの証拠記事で確認することができる。

以下では、逮捕から第2回辞職勧告決議までの経過を、刑事手続、報道、供述の変遷及び市議会対応を重ねながら整理する。


タイムライン

2011年10月18日 事故発生

本件事故が発生した。

当初の捜査資料及び新聞報道では、事故時刻は午後7時50分頃として扱われていた。


2011年10月19日 任意出頭及び逮捕

本人は、警察署へ任意に出頭した。

その後、午後1時10分頃、通常逮捕された。

同日作成された警察官面前調書では、事故時刻は午後7時50分頃とされている。


2011年10月20日 新聞報道

新聞は、本人が容疑を否認している旨を報じた。

逮捕直後の段階では、本人が飲酒運転を認めたとする報道ではなかった。


2011年10月21日 検察官送致及び新聞報道

本人は、検察官へ送致された。

新聞は、本人が容疑を大筋で認めた旨を報じた。

前日の報道では「否認」とされていたものが、翌日の報道では「大筋で認めた」と変化した。

この時点で、刑事裁判は始まっていない。

起訴もされていない。


2011年10月22日 警察官面前調書

警察官面前調書が作成された。

この調書では、本人が店を出たこと、市役所駐車場まで歩いたこと、市役所駐車場から車を運転したことについて、明確な記憶に基づく供述ではなく、推測を含む形で整理されている。


2011年10月24日 実況見分

実況見分が行われた。

市役所駐車場から事故現場までの経路が整理され、走行距離は約11.5キロメートルとされた。


2011年10月25日 警察官面前調書

警察官面前調書が作成された。

この調書では、市役所駐車場から運転を開始したこと、走行経路及び事故までの経過について、捜査結果の説明を受けながら整理されている。

本人の明確な記憶によって一貫して説明されたというよりも、捜査によって示された情報を踏まえながら、供述内容が組み立てられていった経過が確認できる。


2011年10月26日 第1回辞職勧告決議

須賀川市議会は、本人に対する第1回辞職勧告決議を可決した。

当時、本人は勾留中であった。

起訴前であり、刑事裁判は始まっていなかった。

本人は本会議を欠席していた。

議事録上、本人から事情を聴いたこと、弁明の機会を与えたこと又は反論の機会を確保したことを示す記載はない。

質疑、委員会付託及び討論は省略された。

出席議員全員の起立により、決議は可決された。

議事録上、本会議は午前10時に開議され、午前10時4分に休憩に入っている。

第1回辞職勧告決議に関する議事は、開議から休憩までの4分間に行われた。


2011年10月26日以降 勾留延長

刑事訴訟法上、被疑者の勾留期間は原則として10日間である。

やむを得ない事由がある場合には、検察官の請求により、裁判官が勾留期間を延長することができる。

本件では、第1回辞職勧告決議が可決された後、検察官による勾留延長請求が行われた。

その後も、本人の身柄拘束及び取調べは継続した。

第1回辞職勧告決議は、捜査が終了した後に行われたものではない。

本人の身柄拘束が続き、取調べが継続している時期に行われた。


2011年11月2日 検察官面前調書

検察官面前調書が作成された。

この調書では、事故時刻は午後7時40分頃とされている。

当初の捜査資料及び報道で扱われていた午後7時50分頃という時刻から、10分早い時刻へ変更された。

また、出発時刻、工事現場付近を通過した時刻及び事故時刻について、一連の時間経過が整理されている。


2011年11月9日 起訴及び保釈

本人は起訴された。

同日、保釈された。

起訴状では、事故時刻として午後7時40分頃が採用された。

当初の午後7時50分頃という時刻ではなく、2011年11月2日の検察官面前調書で整理された午後7時40分頃という時刻が、その後の刑事手続の基礎とされた。


2011年11月24日 議員全員協議会

議員全員協議会が開催された。

後の本会議議事録では、本人が、この議員全員協議会において飲酒運転を認めたと説明されている。

一方、本人は、議員活動を通じて信頼回復に努めること、後援会から議員を継続するよう要請されていること、裁判結果を待って進退を判断することを理由として、議員を続けるとの意思を示した。

この議員全員協議会における具体的な状況については、関連資料に基づいて別途検証する。


2011年12月1日 第2回辞職勧告決議

須賀川市議会は、本人に対する第2回辞職勧告決議を可決した。

当時、本人は起訴後であった。

しかし、初公判前であり、有罪判決は言い渡されていなかった。

本人は本会議に出席していたが、地方自治法第117条を理由として退場を求められた。

本人が退場した後、提案理由の説明が行われた。

提案理由では、本人が、議員活動を通じて信頼回復に努めること、後援会から議員を継続するよう要請されていること、裁判結果を待って進退を判断することを理由として、議員を続けるとしていることが説明された。

その上で、これらの対応について、次の評価が示された。

このことは社会正義に反するばかりか、議会の決定を著しく軽視するものであります。

さらに、次のように述べられた。

そして何より、在職中に飲酒運転をしたことは言語道断であり、そうした人間がそのまま市議会議員を続けるべきではありません。

質疑、委員会付託及び討論は省略された。

出席議員全員の起立により、決議は可決された。


第1回辞職勧告決議と第2回辞職勧告決議の違い

第1回辞職勧告決議は、本人が勾留中であり、起訴もされていない段階で可決された。

本人は本会議を欠席していた。

議事録上、本人から事情を聴いたこと、弁明の機会を与えたこと又は反論の機会を確保したことを示す記載はない。

第2回辞職勧告決議は、起訴後ではあるものの、初公判前に可決された。

本人は本会議に出席していたが、地方自治法第117条を理由として退場を求められた。

第2回決議では、本人が裁判結果を待って進退を判断するとしていたことを含む対応について、「社会正義に反する」との評価が示された。

第1回決議では、起訴前かつ本人欠席のまま辞職勧告が可決された。

第2回決議では、さらに、裁判結果を待つという対応を含め、本人が議員を続けること自体が否定的に評価された。


刑事手続、供述の変遷及び市議会対応の関係

第1回辞職勧告決議は、捜査が終了した後に行われたものではない。

本人が勾留され、取調べが継続している時期に行われた。

その後、勾留期間は延長された。

取調べは継続し、事故時刻は、当初の午後7時50分頃から、午後7時40分頃へ変更された。

変更後の時刻は、起訴状及び判決で採用された。

この経過を踏まえると、第1回辞職勧告決議を、刑事手続とは無関係な政治的出来事として切り離して捉えることはできない。

また、第2回辞職勧告決議は、初公判前に行われた。

本人が裁判結果を待って進退を判断するとしていたことを含む対応について、「社会正義に反する」との評価が示された。

刑事責任の有無は、本来、証拠に基づく刑事裁判によって判断される。

逮捕又は起訴は、有罪判決ではない。

有罪判決が確定する前の者は、無罪と推定される。


新聞報道との関係

本件では、逮捕直後から新聞報道が行われた。

2011年10月20日の報道では、本人が容疑を否認している旨が報じられた。

翌21日の報道では、本人が容疑を大筋で認めた旨が報じられた。

その後、2011年10月26日、須賀川市議会は、第1回辞職勧告決議を可決した。

新聞報道と市議会による決議は、それぞれ別の行為である。

しかし、報道と公的機関による決議が重なることにより、本人が有罪であることを前提とする社会的評価が形成され、拡大していった可能性がある。


この時系列から生じる疑問

1 起訴前の勾留中に、辞職勧告決議を行う必要があったのか

第1回辞職勧告決議が可決された時点で、本人は起訴されていなかった。

刑事裁判も始まっていなかった。

その段階で、公的機関である市議会が、本人に対して辞職を求める必要があったのか。


2 本人が欠席し、弁明及び反論の機会が確保されていない状態で、決議を行うことは許されるのか

第1回辞職勧告決議では、本人は本会議を欠席していた。

議事録上、本人から事情を聴いたこと、弁明の機会を与えたこと又は反論の機会を確保したことを示す記載はない。

本人の政治的地位、名誉及び社会的評価に重大な影響を与え得る決議を、このような状態で行うことは、適正手続の観点から許されるのか。


3 第1回辞職勧告決議は、刑事手続のどの段階で行われたのか

第1回辞職勧告決議は、本人の身柄拘束及び取調べが継続している時期に行われた。

本人は、まだ起訴されていなかった。
刑事裁判も始まっていなかった。
その後、勾留期間は延長され、本人に対する取調べも継続した。

第1回辞職勧告決議は、捜査及び刑事裁判が終了した後に行われたものではない。

起訴前の勾留中に、公的機関である須賀川市議会が辞職勧告決議を行ったという時系列上の位置を、どのように説明するのか。


4 事故時刻が午後7時50分頃から午後7時40分頃へ変更された経過を、どのように評価すべきか

当初の捜査資料及び報道では、事故時刻は午後7時50分頃として扱われていた。

しかし、2011年11月2日の検察官面前調書では、事故時刻は午後7時40分頃とされた。
その後、変更後の時刻が、起訴状及び判決で採用された。

なぜ、午後7時50分頃のまま起訴されなかったのか。

なぜ、事故時刻を10分早める必要があったのか。

関連する証拠記事

事故時刻及び供述内容の変遷については、次の記事で詳しく検証している。

2011年10月19日 警察官面前調書

2011年10月22日 警察官面前調書

2011年10月25日 警察官面前調書

2011年11月2日 検察官面前調書


5 裁判結果を待つという対応を含めて否定的に評価することは、無罪推定と整合するのか

本人は、裁判結果を待って進退を判断するとしていた。

刑事責任は、刑事裁判によって判断される。
有罪判決が確定する前の者は、無罪と推定される。

本人が、裁判結果を待って進退を判断するとしたことは、無罪推定を前提とするならば、自然な対応ではないか。

それにもかかわらず、その意思を含む対応を「社会正義に反する」と評価することは、無罪推定の原則と整合するのか。


6 市議会は、刑事裁判による判断を先取りしたのではないか

第2回辞職勧告決議の提案理由では、初公判前であるにもかかわらず、次のように述べられた。

在職中に飲酒運転をしたことは言語道断であり、そうした人間がそのまま市議会議員を続けるべきではありません。

刑事責任の有無は、裁判所が証拠に基づいて判断すべき事項である。

公的機関である市議会が、判決前に犯罪事実を断定的に評価することは、司法判断を先取りするものではないか。

7 日本が批准した自由権規約第14条第2項及び一般的意見第32号第30項に照らし、本件態様はどのように説明されるのか

日本は、自由権規約(ICCPR)を批准している。

自由権規約第14条第2項は、刑事上の罪に問われている者が、法律により有罪と認められるまでは、無罪と推定される権利を保障している。

国連自由権規約委員会は、一般的意見第32号第30項において、すべての公的機関には、裁判結果を予断しない義務があることを明示している。

須賀川市議会は、公的機関である。
第1回辞職勧告決議は、本人が起訴される前であり、勾留中に行われた。
第2回辞職勧告決議は、初公判前に行われた。

その提案理由では、次のように述べられた。

在職中に飲酒運転をしたことは言語道断であり、そうした人間がそのまま市議会議員を続けるべきではありません。

これは、裁判所による判断が示される前に、公的機関である須賀川市議会が犯罪事実を断定したものである。

日本が批准した自由権規約ICCPR第14条第2項及び一般的意見第32号第30項に照らし、この本件態様は、どのように説明されるのか。


本件との関係

第1回及び第2回辞職勧告決議は、それぞれ孤立した出来事ではない。

第1回決議は、本人が勾留中であり、起訴もされていない段階で行われた。

その後、勾留期間は延長され、取調べが継続した。

当初、午後7時50分頃として扱われていた事故時刻は、午後7時40分頃へ変更された。

変更後の時刻が、起訴状及び判決で採用された。

第2回決議は、起訴後ではあるものの、初公判前に行われた。

その提案理由では、本人が裁判結果を待って進退を判断するとしていたことを含む対応について、「社会正義に反する」と評価された。

したがって、本件では、第1回及び第2回辞職勧告決議を、単なる政治的又は道義的な意思表明として扱うことはできない。

刑事手続、身柄拘束、取調べ、供述の変遷、新聞報道及び公的機関による評価が相互に重なる過程として検証する必要がある。

須賀川市議会は、公的機関である。

日本が批准した自由権規約(ICCPR)第14条第2項は、有罪と認められるまでは無罪と推定される権利を保障している。

また、一般的意見第32号第30項は、すべての公的機関に対し、裁判結果を予断しない義務を課している。

それにもかかわらず、須賀川市議会は、有罪判決が言い渡される前に、本人が飲酒運転をしたと断定する評価を示した。

本件で問われるのは、その後に現実の影響が生じたかどうかではない。

日本が批准した自由権規約第14条第2項及び一般的意見第32号第30項に照らし、公的機関である須賀川市議会による判決前の犯罪事実の断定が、どのように説明されるのかである。


関連する証拠記事

2011年10月19日 警察官面前調書

2011年10月20日 警察官面前調書

2011年10月22日 警察官面前調書

2011年10月24日 実況見分調書

2011年10月25日 警察官面前調書

2011年11月2日 検察官面前調書

2011年10月20日及び21日 新聞報道

2011年10月26日 本人欠席のまま全会一致で可決された第1回辞職勧告決議

2011年11月24日 議員全員協議会に関する資料

2011年12月1日 裁判結果を待つとの意思を含む対応を否定的に評価し、本人退場後に全会一致で可決された第2回辞職勧告決議

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