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須賀川市議会議事録―本人欠席のまま全会一致で可決された第1回辞職勧告決議

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資料の概要

資料名:
平成23年9月定例会 平成23年10月26日 議事日程第5号 議員提出決議案第1号 圓谷年雄議員に対する議員辞職勧告決議について
作成日:
2011年10月26日
作成主体:
須賀川市議会
取得経路:
須賀川市議会ホームページより取得
資料の種類:
市議会議事録
掲載形式: 個人情報等を必要な範囲で非公開処理したPDF
原文PDF:

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この資料で確認できる事実

本資料は、2011年10月26日に開催された須賀川市議会本会議の議事録である。

議事日程第1として、議員提出決議案第1号 圓谷年雄議員に対する議員辞職勧告決議についてが審議された。

会議は、午前10時に開議された。

出席議員は27名であり、欠席議員は1名であった。

欠席議員として、辞職勧告決議の対象となった圓谷年雄議員本人が記載されている。

議長は、議員提出決議案第1号について、提出者から提案理由の説明を求めた。

提案理由の説明では、圓谷年雄議員について、酒酔い運転の疑いによる逮捕があったことが述べられた。

そのうえで、議会に対する信頼を失墜させる行為は許されず、政治的、道義的責任を免れないとして、自らの意思により議員を辞職すべきであるとの決議を行うべきであると説明された。

提案理由の説明後、質疑、委員会付託及び討論は、異議なしとして省略された。

その後、採決が行われ、出席議員全員の起立によって原案どおり可決された。

議事録では、午前10時に開議され、午前10時4分に休憩となっている。

したがって、議事録上、第1回辞職勧告決議に関する議事は、開議から休憩までの4分間に行われた。

重要な記載

1 本人が欠席していたこと

本資料には、次の記載がある。

欠席議員 1名
1番 圓谷年雄

また、会議冒頭において、議長は次のように述べている。

欠席通告議員は、1番、圓谷年雄議員であります。

辞職勧告決議の対象となった本人は、当該決議が審議され、採決された本会議に出席していなかった。

2 逮捕段階の情報を前提としていたこと

提案理由の説明には、次の記載がある。

このたびの圓谷年雄議員の酒酔い運転の疑いによる逮捕は、あってはならないことであり、我々議員はもとより、議会に対する信頼を失墜させる行為は断じて許されるものではなく、極めて遺憾であり、怒りを禁じ得ません。

この時点で述べられているのは、酒酔い運転の疑いによる逮捕である。

逮捕は、有罪判決ではない。

また、本決議は、起訴前に行われた。

3 政治的、道義的責任を免れないと評価したこと

提案理由の説明には、次の記載がある。

当該議員の政治的、道義的責任は免れるものではないことから、当該議員に対して、みずからの意思により議員を辞職すべきであるとの決議を行うべきと考えます。

本人が欠席し、刑事裁判も開始されていない段階で、議会は、本人が政治的、道義的責任を免れないとの評価を示した。

4 質疑、委員会付託及び討論が省略されたこと

本資料には、次の記載がある。

ただいま議題となっております議員提出決議案第1号については、質疑・委員会付託・討論を省略したいと思います。これに御異議ありませんか。

これに対し、異議なしの声があり、議長は次のように述べている。

御異議なしと認めます。
よって、本決議案については、質疑・委員会付託・討論を省略いたします。

本人に対する辞職勧告決議について、質疑、委員会付託及び討論は行われなかった。

5 出席議員全員の起立によって可決されたこと

本資料には、次の記載がある。

本決議案については、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
起立全員

また、議長は次のように述べている。

全員起立であります。
よって、本決議案は原案のとおり可決されました。

第1回辞職勧告決議は、出席議員全員の賛成によって可決された。

6 開議から休憩まで4分であったこと

本資料には、次の記載がある。

午前10時00分 開議

また、採決後には、次の記載がある。

午前10時04分 休憩

本人に対する辞職勧告決議は、本人が欠席した状態で、質疑、委員会付託及び討論を省略し、開議から休憩までの4分間で可決された。

この資料から生じる疑問

1 逮捕段階の情報だけを前提として、辞職勧告決議を行うことは許されるのか

本資料では、提案理由として、酒酔い運転の疑いによる逮捕が挙げられている。

しかし、逮捕は、有罪判決ではない。

また、本決議は、起訴前に行われた。

刑事責任が確定していない段階で、公的機関である須賀川市議会が、本人は政治的、道義的責任を免れず、議員を辞職すべきであるとの評価を示すことは、無罪推定の原則と整合するのか。

2 本人が欠席した状態で辞職勧告決議を行うことは許されるのか

本資料では、辞職勧告決議の対象となった本人が欠席していたことが明記されている。

議事録には、本人から事情を聴いたこと、弁明の機会を与えたこと、反論の機会を確保したことを示す記載はない。

本人が欠席し、議事録上、本人から事情を聴いたこと、弁明の機会を与えたこと又は反論の機会を確保したことを示す記載もない状態で、本人の政治的地位、名誉及び社会的評価に重大な影響を与え得る決議を行うことは、適正手続の観点から許されるのか。

3 質疑、委員会付託及び討論を省略したことは適切だったのか

本資料では、質疑、委員会付託及び討論が省略されている。

辞職勧告決議は、法形式上は勧告であるとしても、公的機関による公式な意思表示である。

また、対象者の政治的地位、名誉及び社会的評価に重大な影響を与え得る。

そのような決議について、質疑、委員会付託及び討論をすべて省略したことは、十分な審議といえるのか。

4 開議から4分間で可決された決議について、十分な検討が行われたといえるのか

本資料では、午前10時に開議され、午前10時4分に休憩となっている。

この間に、提案理由の説明、質疑等の省略、採決及び可決が行われた。

本人に対する重大な不利益を及ぼし得る決議について、十分な事実確認及び法的検討が行われたといえるのか。

5 政治的、道義的責任という表現によって、無罪推定の問題を回避できるのか

提案理由では、本人の政治的、道義的責任は免れないと述べられている。

しかし、その評価の前提として示されている事実は、酒酔い運転の疑いによる逮捕である。

刑事責任が確定していない段階で、逮捕されたという事実から政治的、道義的責任を導き、辞職を求めることは、実質的に有罪を前提とする評価にならないのか。

6 判決前の有罪視によって無罪推定が侵害された場合、裁判の公平性は担保されるのか

本決議は、起訴前に行われた。

公的機関である須賀川市議会が、刑事裁判の開始前に、本人は政治的、道義的責任を免れず、議員を辞職すべきであるとの評価を示した。

この評価が報道及び社会的評価を通じて広がった場合、その影響下で行われた捜査、公判及び判決について、裁判の公平性が十分に担保されていたといえるのか。

7 議会は、本人の権利利益と市民の負託をどのように検討したのか

提案理由では、市民の負託、議会への信頼、政治的責任及び道義的責任が述べられている。

しかし、本人もまた、市民による選挙を通じて議員に選出されていた。

須賀川市議会は、本人に投票した市民の意思、本人の政治的地位、本人の弁明の機会及び無罪推定の原則を、どのように検討したのか。

8 出席議員全員が賛成したことは、各議員の憲法尊重擁護義務と整合するのか

第1回辞職勧告決議は、出席議員全員の起立によって可決された。

地方議会議員は、憲法を尊重し、擁護する義務を負う。

出席議員は、本人欠席、起訴前、逮捕段階、質疑省略、討論省略という状況において、無罪推定、適正手続及び裁判の公平性との関係を検討したのか。

9 その後、須賀川市議会は本決議を検証したのか

本決議は、その後も撤回されていない。

2025年4月3日には、辞職勧告決議の検証及び是正を求める陳情書が提出された。

須賀川市議会は、第1回辞職勧告決議の内容、手続、影響及び法的評価について、客観的な調査及び検証を行ったのか。

関連法規

国内法

日本国憲法第13条: 個人の尊重、人格的利益、名誉及び社会的評価との関係が問題となる。

日本国憲法第15条第1項: 公務員を選定し、罷免する国民固有の権利と、選挙によって選ばれた議員に対する辞職勧告決議との関係が問題となる。

日本国憲法第31条: 本人に十分な弁明の機会を与えないまま、公的機関が重大な不利益を及ぼし得る評価を行ったことと、適正手続との関係が問題となる。

日本国憲法第32条: 判決前に公的機関が有罪を前提とする評価を示し、無罪推定を侵害した場合に、その影響下で行われた刑事手続及び裁判の公平性が十分に担保されていたといえるのかが問題となる。

日本国憲法第37条第1項: 刑事被告人が公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利と、判決前の公的機関による有罪視及び外部的圧力との関係が問題となる。

日本国憲法第76条第3項: 裁判官が憲法及び法律のみに拘束され、独立して職権を行使すべきことと、刑事裁判の開始前から公的機関による断罪的評価が示されたこととの関係が問題となる。

日本国憲法第93条第2項: 地方公共団体の議会の議員が住民の直接選挙によって選ばれることと、議会による辞職勧告決議との関係が問題となる。

日本国憲法第98条第2項: 日本国が締結した条約及び確立された国際法規を誠実に遵守する義務との関係が問題となる。

日本国憲法第99条: 市議会議員その他の公務員が負う憲法尊重擁護義務との関係が問題となる。

刑事訴訟法第336条: 犯罪の証明がないときは無罪を言い渡さなければならないという原則と、判決前の公的機関による有罪視との関係が問題となる。

地方自治法第135条: 地方議会議員に対する懲罰の法定手続と、辞職勧告決議が実質的に与えた不利益との関係が問題となる。

国際人権条約 ICCPR

市民的及び政治的権利に関する国際規約第14条第1項: 判決前に公的機関が有罪を前提とする評価を示し、無罪推定を侵害した場合に、その影響下で行われた刑事手続及び裁判が、公正な裁判を受ける権利を十分に保障したものといえるのかが問題となる。

市民的及び政治的権利に関する国際規約第14条第2項: 刑事裁判の判決前に、公的機関が有罪を前提とする評価を示したことと、無罪推定の原則との関係が問題となる。

市民的及び政治的権利に関する国際規約第2条第3項: 人権侵害の是正を求める申入れを受けた後の対応と、実効的救済を確保する義務との関係が問題となる。

条約の履行及び解釈に関する基準

条約法に関するウィーン条約 VCLT 第26条: 効力を有する条約を誠実に履行する義務との関係が問題となる。

条約法に関するウィーン条約 VCLT 第27条: 国内法上の権限、手続又は制度を理由として、条約上の義務を履行しないことが許されるのかが問題となる。

自由権規約委員会一般的意見第32号30項: 公的機関が、刑事裁判の結果を先取りする形で被告人の有罪を表明してはならないとする国際基準との関係が問題となる。

自由権規約委員会一般的意見第31号: 規約上の権利侵害に対する実効的救済、継続する侵害の停止及び適切な是正措置との関係が問題となる。

国際違法行為に対する国家責任

国家責任条文第1条: 国家の国際違法行為が、当該国家の国際責任を生じさせることとの関係が問題となる。

国家責任条文第2条: 国家に帰属する行為又は不作為が、国際義務の違反を構成する場合に、国際違法行為が成立することとの関係が問題となる。

国家責任条文第4条: 地方公共団体の機関による行為又は不作為も、国際法上、国家に帰属し得ることとの関係が問題となる。

国家責任条文第12条: 国家の行為又は不作為が、国際義務に適合しない場合に、義務違反が成立することとの関係が問題となる。

国家責任条文第14条: 継続する行為又は不作為による義務違反が、是正されるまで継続し得ることとの関係が問題となる。

国家責任条文第30条: 継続する国際違法行為の停止及び適切な再発防止措置との関係が問題となる。

国家責任条文第31条: 国際違法行為によって生じた損害に対する完全な賠償との関係が問題となる。

国家責任条文第32条: 国内法を理由として、国際違法行為に伴う義務を免れることができないこととの関係が問題となる。

※各規定の詳しい解釈、本件への適用及び相互関係については、法的主張と違憲違法構造の整理で検討する。

本件との関係

本資料は、2011年から2012年にかけて行われた4度の辞職勧告決議のうち、第1回辞職勧告決議に関する議事録である。

本資料からは、本人が欠席していたこと、提案理由が酒酔い運転の疑いによる逮捕を前提としていたこと、本人の政治的、道義的責任は免れないとの評価が示されたこと、質疑、委員会付託及び討論が省略されたこと、出席議員全員の起立によって可決されたことが確認できる。

また、議事録上、本決議に関する議事は、開議から休憩までの4分間に行われた。

本決議は、起訴前に行われた。

したがって、本資料は、判決前の公的有罪視、無罪推定の侵害、適正手続の欠如及び本人に対する社会的制裁の発端を検証する上で重要な資料である。

また、公的機関である須賀川市議会が刑事裁判の開始前に断罪的評価を示したことは、本人の名誉及び政治的地位への影響だけにとどまらない。

その評価が報道及び社会的評価を通じて広がり、捜査、公判及び判決に外部的圧力を及ぼした可能性がある。

したがって、本件では、無罪推定の侵害とともに、その影響下で行われた刑事裁判の公平性が十分に担保されていたのかを検証する必要がある。
特に、本決議は、起訴前かつ本人が身柄を拘束されていた時期に行われた最初の辞職勧告決議である。その後に繰り返された決議、報道及び社会的評価の形成過程を検証する上で、本決議はその起点に位置する。

関連資料

関連する固定ページ:
事件の記録と検証 第1部 事実編
事件の記録と検証 第2部 時系列
事件の記録と検証 第4部 無罪推定の侵害
法的主張と違憲違法構造の整理

関連する証拠記事:
2011年10月19日付 供述調書
2011年10月20日付 供述調書
2011年10月22日付 供述調書
2011年10月24日付 実況見分調書
2011年10月25日付 供述調書
2011年11月2日付 検察官面前調書
須賀川市議会議事録―初公判前に可決された第2回辞職勧告決議
須賀川市議会議事録―有罪判決後に可決された第3回辞職勧告決議
須賀川市議会議事録―辞職直前に可決された第4回辞職勧告決議
須賀川市議会提出文書―辞職勧告決議の検証と是正を求めた陳情書
須賀川市提出文書―人権侵害の検証と是正を求めた申入書
須賀川市議会内部文書―人権侵害の是正申入れ後に実施された法律相談
須賀川市内部文書―人権侵害の是正申入れ後に実施された法律相談

関連する時系列:
2011年10月18日 交通事故
2011年10月19日 逮捕
2011年10月26日 第1回辞職勧告決議
2011年11月9日 起訴及び保釈
2011年12月1日 第2回辞職勧告決議
2012年1月16日 有罪判決
2012年2月9日 第3回辞職勧告決議
2012年3月 第4回辞職勧告決議
2025年4月3日 須賀川市及び須賀川市議会への申入れ

英語版:
English version―Sukagawa City Council Minutes―First Recommendation for Resignation Adopted Unanimously in the Member’s Absence

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