資料の概要
資料名:
平成24年2月27日 議会運営委員会会議録
作成日:
2012年(平成24年)2月27日
作成主体:
須賀川市議会
取得経路:
須賀川市議会に対する行政文書開示請求により取得
資料の種類:
議会運営委員会会議録
対象となる時期:
2012年(平成24年)2月27日
掲載形式:
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原文PDF:
この資料で確認できる事実
本資料は、2012年(平成24年)2月27日に開かれた須賀川市議会議会運営委員会の会議録である。
会議は、午後1時30分に開会し、午後1時59分に閉会している。
場所は、須賀川市議会委員会室である。
出席委員は、八木沼久夫、関根保良、大寺正晃、塩田邦平、広瀬吉彦、菊地忠男、橋本健二である。
委員外として、鈴木忠夫議長、森新男副議長が出席している。
欠席委員は、加藤和記と記録されている。
説明員として、市長、行政管理部長等が出席している。
事務局職員として、市川守事務局長、佐藤基寛局長補佐兼議事係長、横川幸枝主事が出席している。
本資料では、2012年(平成24年)3月定例会に係る議会運営及び会期運営が協議されている。
本件との関係で重要なのは、圓谷年雄議員に対する4回目の議員辞職勧告決議案について、議会運営委員会で事前に協議されている点である。
議長は、2011年(平成23年)9月定例会、同年12月定例会及び2012年(平成24年)2月臨時会において、3度にわたり圓谷年雄議員に対する議員辞職勧告決議を行ってきたことに触れている。
その上で、圓谷議員がこれまでの議会の決議を重く受け止めることなく、今後も無視し続けるとしたことについて、極めて遺憾であるとの趣旨が述べられている。
また、議長は、この問題に対する市民からの厳しい指摘や議会に対する不信感、さらには情報誌等に取り上げられたこともあり、須賀川市全体が批判の目にさらされるなど、極めて憂慮すべき事態に陥っているとの趣旨を述べている。
さらに、圓谷議員に対して、これまでの辞職勧告を重く受け止め、再考するよう促してきたが、今後も議員を辞職する考えはないとしている旨が述べられている。
その上で、4度目となるが、議員辞職勧告決議を提出すべきとの各会派代表者会議での協議を踏まえて提出されるものであるとの説明がなされている。
また、本来、このような決議は乱発すべきものではないとしつつ、議会としてのできる限りの対応であることについて理解を求める趣旨が述べられている。
さらに、2012年(平成24年)3月定例会の会期運営説明においても、圓谷年雄議員に対する議員辞職勧告決議案を本会議で扱う予定であることが説明されている。
会期運営の説明では、3月定例会の本会議冒頭において、圓谷議員に対し議員を辞職するよう勧告するため、別紙内示による4度目の議員辞職勧告決議案を提出することとしているとの趣旨が述べられている。
また、圓谷議員を退席させた上で決議案を扱うこと、提案理由の説明、質疑、委員会付託及び討論の省略、採決という処理が予定されていることが確認できる。
したがって、本資料からは、第4回辞職勧告決議が本会議で突然扱われたものではなく、2012年(平成24年)2月27日の議会運営委員会において、各会派代表者会議での協議を踏まえた提出、本人退席、提案理由説明、質疑、委員会付託及び討論省略、採決という処理手順が、あらかじめ整理されていたことが確認できる。
重要な記載
本資料で特に重要なのは、第4回辞職勧告決議が、3回の辞職勧告決議を経た後、さらに反復される辞職勧告決議として、議会運営委員会で事前に整理されている点である。
第1回辞職勧告決議は、起訴前、勾留中、本人欠席の段階で行われた。
第2回辞職勧告決議は、初公判前、判決前の段階で、本人退場後に行われた。
第3回辞職勧告決議は、判決確定後に行われた。
これに対し、第4回辞職勧告決議は、すでに3回の辞職勧告決議が行われた後、さらに3月定例会で提出される予定のものとして協議されている。
本資料では、議長が、これまで3度にわたり辞職勧告決議を行ってきたことを前提に、圓谷議員がこれらの決議を重く受け止めることなく、今後も無視し続けるとしていることが極めて遺憾であるとの趣旨を述べている。
また、市民からの厳しい指摘、議会に対する不信感、情報誌等で取り上げられたこと、須賀川市全体が批判の目にさらされることへの懸念が述べられている。
この点は、第4回辞職勧告決議が、刑事判決の存在だけでなく、これまでの辞職勧告決議への不応答、市民感情、議会不信、情報誌等による社会的評価を背景として検討されていたことを示している。
さらに重要なのは、本資料でも、須賀川市議会自身が、辞職勧告決議について、乱発すべきものではないと認識していたことである。
本資料では、4度目となる辞職勧告決議について、本来、このような決議は乱発すべきものではないとしつつ、議会としてのできる限りの対応であるとの説明がなされている。
つまり、第4回辞職勧告決議は、議会が辞職勧告決議の反復に慎重であるべきことを認識しながら、それでもなお提出する方向で整理されたものである。
この記載は、第4回辞職勧告決議が、単なる通常の議会意思表示ではなく、議会自身が反復の問題性を認識した上で行われようとしていた決議であったことを示している。
また、第4回辞職勧告決議は、第3回辞職勧告決議の直後に、さらに3月定例会で予定されている。
第3回辞職勧告決議では、森新男議員が、今後も議員辞職を求め、何度でも辞職勧告を出し続けるとの趣旨を述べ、決議案本文中にも「我々は、何度でも訴え続ける」と記載されていた。
本資料は、その第3回辞職勧告決議後、実際に4度目の辞職勧告決議へ進む議会運営が整理されていたことを示している。
したがって、本資料は、第3回辞職勧告決議において示された反復的辞職要求の姿勢が、単なる発言にとどまらず、実際に第4回辞職勧告決議へ接続していたことを示す資料である。
この資料から生じる疑問
1 3回の辞職勧告決議後、さらに4回目を予定することはどのように説明されるのか
本資料では、すでに3度にわたり辞職勧告決議を行ってきたことを前提に、4度目の辞職勧告決議を提出する方向が示されている。
辞職勧告決議は、一般に法的拘束力を持たない意思表示と説明される。
しかし、公的機関である市議会が同一人物に対し、短期間に4度の辞職勧告決議を反復する場合、それは単なる意思表示にとどまらず、本人に対する継続的な政治的・社会的圧力として機能するのではないか。
2 「乱発すべきものではない」と認識しながら、4回目を予定したことはどのように評価されるのか
本資料では、議会自身が、辞職勧告決議について、乱発すべきものではないと認識している。
それにもかかわらず、4度目の辞職勧告決議を提出する方向で議会運営を整理している。
このことは、第4回辞職勧告決議が、議会自身の認識に照らしても慎重な検討を要する性質のものであったことを示している。
それにもかかわらず、4回目の辞職勧告決議を予定したことは、どのような必要性、相当性及び手続的保障によって正当化されるのか。
3 第3回の「何度でも辞職勧告を出し続ける」という姿勢が、実際に第4回へ接続したのではないか
第3回辞職勧告決議では、今後も議員辞職を求め、何度でも辞職勧告を出し続けるとの趣旨が述べられていた。
また、決議案本文中にも「我々は、何度でも訴え続ける」と記載されていた。
本資料は、その後、実際に4度目の辞職勧告決議を3月定例会に提出する方向で議会運営が整理されていたことを示している。
このことは、第3回で示された反復的辞職要求の姿勢が、単なる表現にとどまらず、実際の議会運営において具体化されたことを示すのではないか。
4 議会不信や市民感情を理由として、本人に辞職を求め続けることはどこまで許されるのか
本資料では、市民からの厳しい指摘、議会に対する不信感、情報誌等で取り上げられたこと、須賀川市全体が批判の目にさらされることへの懸念が述べられている。
しかし、議会不信や市民感情が存在することと、本人に辞職を求め続けることは、当然には同じではない。
公的機関である市議会が、市民感情や社会的批判を理由として、議員に対し辞職勧告決議を反復することは、本人の人格的利益、名誉、政治的地位及び議員活動との関係でどこまで許されるのか。
5 除名その他の法定手続を用いず、辞職勧告決議を反復したことは適切だったのか
地方議会には、一定の場合に懲罰や除名に関する法定手続が存在する。
しかし、本資料で扱われているのは、懲罰又は除名ではなく、辞職勧告決議である。
辞職勧告決議は、一般に法的拘束力を持たない意思表示と説明される。
しかし、辞職勧告決議を4度にわたり反復し、議会として継続的に辞職を求めることは、本人に対する重大な政治的・社会的圧力となり得る。
法定の懲罰手続や除名手続によらず、辞職勧告決議を反復することは、法定手続の潜脱又は実質的制裁として問題とならないのか。
6 本人退席、質疑省略、委員会付託省略、討論省略という処理を4回目にも予定したことは適切だったのか
本資料では、第4回辞職勧告決議案についても、本人退席、提案理由説明、質疑、委員会付託及び討論省略、採決という処理が予定されている。
これまでの辞職勧告決議でも、本人欠席又は本人退場後に、質疑、委員会付託及び討論の省略が行われてきた。
4回目となる辞職勧告決議についても、同様の処理を予定することは、議会の慎重審議及び適正手続の観点から適切だったのか。
関連法規・条約・国際法上の基準
国内法
日本国憲法第13条: 個人の尊重及び人格的利益との関係が問題となる。判決確定後であっても、辞職勧告決議の反復が、本人の名誉、社会的評価、人格的利益及び政治的地位に与えた影響が問題となる。
日本国憲法第31条: 適正手続の保障との関係が問題となる。辞職勧告決議が形式上は法的拘束力を持たないとしても、本人の政治的地位、名誉及び議員活動に重大な影響を与え得る場合に、どのような手続的保障が必要であったのかが問題となる。
日本国憲法第99条: 市議会議員その他の公務員が負う憲法尊重擁護義務との関係が問題となる。議会が辞職勧告決議を反復し、本人に対して継続的に辞職を求め続けたことが、憲法尊重擁護義務と整合するのかが問題となる。
地方自治法第117条: 普通地方公共団体の議会の議員が、自己又は一定の親族等の一身上に関する事件について議事に参与することができないとする規定との関係が問題となる。本人を退席させた上で、本人に対する辞職勧告決議を審議、採決することの手続的意味が問題となる。
地方自治法第134条: 普通地方公共団体の議会が、法律及び会議規則により、議員を懲罰することができるとする規定との関係が問題となる。辞職勧告決議を反復することが、懲罰制度との関係でどのように位置付けられるのかが問題となる。
地方自治法第135条: 議会における懲罰の種類として、公開の議場における戒告、陳謝、一定期間の出席停止及び除名を定めている。法定の懲罰手続によらず、辞職勧告決議を反復することが、実質的制裁又は法定手続の潜脱とならないのかが問題となる。
国際人権条約 自由権規約(ICCPR)
自由権規約第25条: 市民が公務に参加し、選挙され、公務に就く機会を不合理な制限なしに有する権利との関係が問題となる。選挙により議員となった者に対して、公的機関である議会が辞職勧告決議を反復し、政治的地位及び議員活動に重大な圧力を加えることが、政治参加の権利との関係でどのように評価されるのかが問題となる。
条約の履行及び解釈に関する基準
条約法に関するウィーン条約(VCLT)第26条: 効力を有する条約は当事国を拘束し、誠実に履行されなければならない。日本が批准した自由権規約を誠実に履行すべき義務との関係が問題となる。
条約法に関するウィーン条約(VCLT)第27条: 国内法を理由として、条約上の義務を履行しないことを正当化できない。地方議会による行為であること、議会内部の問題であること、又は国内制度上の手続が定められていないことを理由として、自由権規約上の義務との関係を検討しなくてよいことになるのかが問題となる。
※各規定の詳しい解釈、本件への適用及び相互関係については、法的主張と違憲違法構造の整理で検討する。
本件との関係
本資料は、2012年(平成24年)3月定例会において予定された第4回辞職勧告決議が、本会議で扱われる前に、議会運営委員会でどのように整理されていたのかを示す資料である。
本件では、2011年(平成23年)10月26日に第1回辞職勧告決議、同年12月1日に第2回辞職勧告決議、2012年(平成24年)2月9日に第3回辞職勧告決議が行われている。
本資料は、これら3回の辞職勧告決議に続いて、さらに第4回辞職勧告決議を3月定例会で提出する方向が議会運営委員会で整理されていたことを示している。
特に重要なのは、第3回辞職勧告決議において、今後も議員辞職を求め、何度でも辞職勧告を出し続けるとの趣旨が示され、決議案本文中にも「我々は、何度でも訴え続ける」と記載されていた後、実際に第4回辞職勧告決議へ向けた議会運営が進められていたことである。
この点は、第3回で示された反復的辞職要求の姿勢が、単なる発言や抽象的意思表示にとどまらず、次の本会議における第4回辞職勧告決議の準備として具体化していたことを示している。
また、本資料では、第4回辞職勧告決議についても、本来、このような決議は乱発すべきものではないとしつつ、議会としてのできる限りの対応であるとの説明がなされている。
つまり、議会は、辞職勧告決議の反復に慎重であるべきことを認識しながら、それでも4回目の辞職勧告決議に向けて手続を進めていたことになる。
このことは、第4回辞職勧告決議が、単なる形式的な意思表示にとどまらず、本人に対する累積的な辞職圧力として機能した可能性を検討する上で重要である。
さらに、本資料では、3月定例会冒頭において、第4回辞職勧告決議案を扱うこと、本人を退席させること、提案理由説明、質疑、委員会付託及び討論省略、採決という処理を予定していたことが確認できる。
したがって、本資料は、第4回辞職勧告決議が、本会議で偶発的に扱われるものではなく、議会運営委員会において、本人退席、提案理由説明、質疑、委員会付託及び討論省略、採決という処理手順があらかじめ整理された上で本会議に上程される予定であったことを示す資料である。
本件では、このような議会運営上の処理が、人格権、名誉、政治的地位、議員としての権利、法定懲罰手続、除名手続、実質的制裁及び辞職圧力の累積との関係でどのように説明されるのかを検証する必要がある。
関連資料
関連する固定ページ:
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規範篇―一般的意見32号第30項:公的機関による判決前の裁判結果の予断禁止
規範篇―一般的意見31号第15項:調査義務と救済不実施それ自体の問題
規範篇―条約法に関するウィーン条約(VCLT)第27条:国内制度を理由に条約義務を免れられるのか
関連する時系列:
2011年(平成23年)10月18日 本件事故が発生したとされた。
2011年(平成23年)10月19日 圓谷年雄が警察署に任意出頭した後、逮捕状に基づいて通常逮捕され勾留開始。現行犯逮捕ではなかった。
2011年(平成23年)10月24日 第1回辞職勧告決議前の議会運営委員会
2011年(平成23年)10月26日 第1回辞職勧告決議
2011年(平成23年)11月9日 起訴され、その後保釈された。
2011年(平成23年)11月28日 第2回辞職勧告決議前の議会運営委員会
2011年(平成23年)12月1日 第2回辞職勧告決議
2012年(平成24年)1月16日 有罪判決
2012年(平成24年)1月31日 判決確定
2012年(平成24年)2月7日 第3回辞職勧告決議前の議会運営委員会
2012年(平成24年)2月9日 第3回辞職勧告決議
2012年(平成24年)2月27日 第4回辞職勧告決議前の議会運営委員会
2012年(平成24年)3月1日 第4回辞職勧告決議
