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須賀川市議会議事録―第2回辞職勧告決議の提案理由と採決状況

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資料の概要

資料名:
平成23年12月定例会 平成23年12月1日議事録

作成日:
2011年(平成23年)12月1日

作成主体:
須賀川市議会

取得経路:
須賀川市議会ホームページより取得

資料の種類:
市議会本会議議事録

対象となる時期:
2011年(平成23年)12月1日

掲載形式:
原文から関連部分を抜粋したPDF

原文PDF:

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この資料で確認できる事実

本資料は、2011年(平成23年)12月1日に開かれた、須賀川市議会平成23年12月定例会の本会議議事録である。

本会議では、圓谷年雄議員に対する2回目の議員辞職勧告決議案が扱われている。

この決議案は、2011年(平成23年)10月26日に可決された第1回辞職勧告決議に続くものである。

本資料では、圓谷年雄議員本人が議場から退場した後に、圓谷年雄議員に対する議員辞職勧告決議案が議題とされている。

提出者から提案理由の説明が行われている。

提案理由では、2011年(平成23年)10月26日に第1回辞職勧告決議が可決されたこと、その後、2011年(平成23年)11月24日に議員全員協議会が開催されたこと、そこで圓谷年雄議員本人から説明があったことが前提とされている。

提案理由では、圓谷年雄議員が第1回辞職勧告決議を重く受け止めると述べたものの、議員を辞職する意思を示さなかったことが問題とされている。

また、裁判結果を待って進退を判断するという趣旨の対応についても、否定的に評価されている。

さらに、在職中に飲酒運転をしたことを前提とする評価が示され、市議会議員として許されない行為であるとの趣旨が述べられている。

提案理由説明の後、質疑及び討論が省略され、採決が行われている。

採決は、出席議員全員の賛成により可決された。

したがって、本資料からは、第2回辞職勧告決議が、本人退場後に、提案理由説明、質疑及び討論省略、採決という流れで処理され、出席議員全員の賛成により可決されたことが確認できる。

重要な記載

本資料で特に重要なのは、第2回辞職勧告決議が、本人を退場させた後に行われたことである。

第1回辞職勧告決議は、本人が勾留中で欠席している状態で可決された。

これに対し、第2回辞職勧告決議では、本人は本会議に出席していたが、本人に関する議案であるため、議場から退場した後に決議案が扱われている。

そのため、本資料では、本人の目の前で提案理由説明、質疑、討論及び採決が行われたのではなく、本人が退場した後に、本人に対する辞職勧告決議案が審議、採決されたことが確認できる。

また、第2回辞職勧告決議は、2011年(平成23年)11月24日の議員全員協議会における本人説明を前提としている。

しかし、この時点で、初公判はまだ開かれていない。

有罪判決も言い渡されていない。

この点で重要なのは、第2回辞職勧告決議が、2011年(平成23年)12月26日の初公判より前に行われていることである。

つまり、第2回辞職勧告決議の時点では、刑事裁判はまだ始まっておらず、裁判所による事実認定も、有罪判決も存在していなかった。

それにもかかわらず、須賀川市議会は、本人の説明内容や裁判結果を待つという態度を否定的に評価し、飲酒運転をしたことを前提とする評価に基づいて、再度の辞職勧告決議を行っている。

さらに、第2回辞職勧告決議では、提案理由説明の後、質疑及び討論が省略されている。

したがって、本資料は、初公判前、判決前の段階で、本人退場後に、本人の説明内容及び進退判断に関する態度を理由として、須賀川市議会が第2回辞職勧告決議を可決したことを示す資料である。

この資料から生じる疑問

1 辞職勧告決議に法的拘束力がないことは、無罪推定上の問題を否定する理由になるのか

辞職勧告決議は、一般に、対象議員の資格を直ちに失わせる法的効果を持つものではないと説明される。

しかし、このことは、無罪推定との関係で問題がないことを意味しない。

自由権規約委員会の一般的意見32号第30項は、すべての公的機関が裁判結果を予断することを控えなければならないと示している。

同項が参照する Gridin v. Russian Federation では、法的拘束力を持つ処分ではなく、公的機関関係者による発言が無罪推定との関係で問題とされた。

このことからすれば、自由権規約第14条第2項の無罪推定との関係で問題となるのは、当該行為に法的拘束力があるかどうかだけではない。

問題の核心は、公的機関が、判決前に裁判結果を予断するような発言、表示、決議又は扱いを行ったかどうかにある。

本件では、第1回辞職勧告決議が、2011年(平成23年)10月26日に行われている。

この時点では、本人は起訴前であり、勾留中であり、本人欠席の状態であった。

それにもかかわらず、須賀川市議会は、飲酒運転による逮捕を理由として、議員辞職を求める公的意思表示を行っている。

したがって、第1回辞職勧告決議については、法的拘束力がないという形式面だけではなく、起訴前、勾留中、本人欠席の段階で、公的機関である地方議会が裁判結果を予断するような意思表示を行ったものではないかが問題となる。

2 判決前の議会決議は、司法権の所在及び裁判の公平性との関係でどのような問題を生じさせるのか

日本国憲法第76条第1項は、すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属すると定めている。

また、同条第3項は、すべて裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行い、この憲法及び法律にのみ拘束されると定めている。

本件では、第2回辞職勧告決議が、起訴後ではあるものの、初公判前、判決前の段階で行われている。

この時点では、刑事裁判における証拠調べも始まっておらず、裁判所による有罪判断も存在していなかった。

それにもかかわらず、地方議会という公的機関が、議員全員協議会での本人説明を踏まえた上で、再度の辞職勧告決議を可決している。

また、本会議での採決は、本人が退場した後に行われている。

このような判決前の公的意思表示は、刑事責任の判断が本来司法権に属すること、及び裁判官が外部の影響を受けずに独立して判断すべきこととの関係で問題となる。

したがって、第2回辞職勧告決議については、無罪推定だけでなく、司法権の所在及び裁判の公平性との関係でも検討する必要がある。

3 裁判結果を待って進退を判断することは、社会正義に反するのか

本資料では、本人が、裁判結果を待って進退を判断するとしていたことが記録されている。

刑事責任は、刑事裁判によって判断される。

有罪判決が確定する前の者は、無罪と推定される。

したがって、本人が、刑事裁判の結果を待った上で進退を判断するとしたことは、無罪推定を前提とするならば、当然に尊重されるべき対応ではないか。

それにもかかわらず、第2回辞職勧告決議では、この姿勢を社会正義に反し、議会の決定を著しく軽視するものと評価している。

裁判所の判断を待つという本人の姿勢を、議会が否定的に評価し、再度の辞職勧告決議の理由としたことは、無罪推定、適正手続及び司法権の所在との関係でどのように説明されるのか。

4 地方自治法第117条による退場と、本人に弁明の機会を与えることは別の問題ではないか

本資料では、議長が地方自治法第117条を理由として本人に退場を求めている。

本人が、自己に関する議案の審議及び採決に加わらないことと、本人に事実関係を説明し、反論し、弁明する機会を与えることは、別の問題である。

本人に退場を求める前に、又は別の機会に、十分な弁明及び反論の機会を確保する必要はなかったのか。

本人が本会議に出席していたとしても、本人退場後に提案理由説明、質疑省略、討論省略及び採決が行われたのであれば、本人はその場で提案理由に対して反論し、補足説明を行うことができない。

本人の政治的地位、名誉及び社会的評価に重大な影響を及ぼし得る辞職勧告決議について、本人の弁明又は反論の機会は、どの段階で、どのように確保されていたのか。

5 議員全員協議会での本人説明を、犯罪行為を認めた根拠として扱うことは適切だったのか

提案理由では、2011年11月24日の議員全員協議会において、本人が飲酒運転を認めたと説明されている。

しかし、本議事録から直接確認できるのは、提出者がそのように説明したという事実である。

また、2011年11月24日の議員全員協議会では、本人は、弁護士がいない状態で、本人1人に対し他の議員26人という著しく不均衡な状況に置かれていた。

本人は、刑事事件に関係する事項について、自己に不利益となり得る説明を求められた。

日本国憲法第38条第1項は、何人も、自己に不利益な供述を強要されないと定めている。

刑事事件について、本人が説明を拒むこと、又は裁判結果が出るまで発言を控えることは、本来、不利益に評価されるべきものではない。

本人が置かれていた状況は、自由かつ対等な意思表明ができる状況だったのか。

そのような状況でされた本人に不利益な説明を、犯罪行為を認めたとの根拠として扱うことは適切だったのか。

また、その説明を犯罪行為を認めた根拠として扱い、初公判前に再度の辞職勧告決議を行うことは、自己負罪拒否特権の趣旨、無罪推定及び適正手続の保障と整合するのか。

6 初公判前、判決前に、飲酒運転をしたと断定することは許されるのか

提案理由では、在職中に飲酒運転をしたことは言語道断であると述べられている。

しかし、本決議の時点では、初公判はまだ開かれていない。

有罪判決も言い渡されていない。

刑事責任の有無は、裁判所が証拠に基づいて判断すべき事項である。

公的機関である須賀川市議会が、初公判前、判決前に、飲酒運転をしたことを前提とする評価を示すことは、無罪推定の原則と整合するのか。

また、それは裁判所による司法判断を先取りするものではないか。

7 議会の決定を重視することと、裁判結果を待つことは両立しないのか

提案理由では、本人が議員を続けることについて、議会の決定を著しく軽視するものであると評価している。

しかし、第1回辞職勧告決議も、法的拘束力を有する裁判ではない。

本人が議会の意思表示を認識しながら、刑事裁判の結果を待って進退を判断するとしたことは、直ちに議会を軽視することになるのか。

議会の決定を尊重することと、裁判所による判断を待つことは、本来両立し得るものではないか。

8 市民感情を理由として、判決前に辞職を求めることは許されるのか

提案理由では、市民感情からしても許されるものではないと述べられている。

しかし、無罪推定は、市民感情が強い場合であっても尊重されなければならない原則である。

市民感情を理由として、判決前に公的機関が断罪的評価を示し、辞職を求めることは許されるのか。

市民感情を理由にすることによって、自由権規約(ICCPR)第14条第2項及び一般的意見第32号第30項が示す公的機関の予断禁止の問題を回避できるのか。

9 質疑、委員会付託及び討論を省略したことは適切だったのか

本人に対する第2回辞職勧告決議についても、質疑、委員会付託及び討論は省略された。

本人の発言内容、刑事裁判の進行状況、無罪推定、適正手続、自己に不利益な供述を強要されない権利及び司法権の所在について、十分な検討が行われたのか。

また、第2回辞職勧告決議では、本人は退場しており、提案理由説明、質疑省略、討論省略及び採決の場にいない。

この点を踏まえると、質疑、委員会付託及び討論の省略は、本人の反論機会の確保という観点からも問題となるのではないか。

10 出席議員全員が賛成したことは、各議員の憲法尊重擁護義務と整合するのか

第2回辞職勧告決議は、本人の退場後、出席議員全員の起立によって可決された。

地方議会議員は、憲法を尊重し、擁護する義務を負う。

出席議員は、無罪推定、適正手続、自己に不利益な供述を強要されない権利、本人の弁明の機会、裁判の公平性及び司法権の所在との関係を検討したのか。

出席議員全員が賛成したことは、当時の須賀川市議会として、判決前に本人を断罪する方向で公的意思を示したことを意味する。

このような全員賛成の決議が、本人の名誉、社会的評価、政治的地位及びその後の議員活動に与えた影響をどのように評価すべきか。

11 その後、須賀川市議会は本決議を検証したのか

本決議は、その後も撤回されていない。

2025年4月3日には、辞職勧告決議の検証及び是正を求める陳情書が提出された。

須賀川市議会は、第2回辞職勧告決議の内容、手続、影響及び法的評価について、客観的な調査及び検証を行ったのか。

関連法規・条約・国際法上の基準

国内法

日本国憲法第13条: 個人の尊重、人格的利益、名誉及び社会的評価との関係が問題となる。辞職勧告決議が、本人の名誉、社会的評価、政治的地位及び議員活動に与えた影響が問題となる。

日本国憲法第15条第1項: 公務員を選定し、罷免することは国民固有の権利である。選挙によって選ばれた議員に対し、判決前に議会が辞職を求める決議を行ったことと、住民の選挙による負託との関係が問題となる。

日本国憲法第31条: 適正手続の保障との関係が問題となる。本件では、本人に弁明又は反論の機会が十分に確保されていたかだけでなく、公的機関である市議会が、刑事裁判の判決前に有罪を前提とする評価を示したこと自体が、適正手続及び無罪推定の趣旨と整合するのかが問題となる。

日本国憲法第32条: 裁判を受ける権利との関係が問題となる。判決前に公的機関が有罪を前提とする評価を示し、その評価が報道及び社会的評価を通じて広がった場合に、その後の刑事裁判において、本人が公平な司法判断を受ける地位が十分に保障されていたといえるのかが問題となる。

日本国憲法第37条第1項: 刑事被告人が公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利との関係が問題となる。判決前の公的機関による有罪視が、公判及び判決に外部的圧力を及ぼし得る状況の中で、公平な裁判が保障されていたといえるのかが問題となる。

日本国憲法第38条第1項: 何人も、自己に不利益な供述を強要されないことを定めている。刑事裁判を控えた本人が、弁護士不在の状態で、本人1人に対し他の議員26人という著しく不均衡な状況において説明を求められ、その内容が後に辞職勧告決議の理由として扱われたことと、自己負罪拒否の趣旨との関係が問題となる。

日本国憲法第76条第1項: すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。刑事責任の有無を終局的に判断する権限を有しない市議会が、初公判前に犯罪行為があったことを前提とする断定的評価を示したことは、裁判所による司法判断を先取りし、司法権の所在との関係で問題となる。

日本国憲法第76条第3項: 裁判官が独立して職権を行使し、憲法及び法律のみに拘束されるべきこととの関係が問題となる。判決前の公的評価が報道及び社会的評価を通じて広がった場合、裁判官の独立及び裁判の公平性との関係でも検証が必要となる。

日本国憲法第93条第2項: 地方公共団体の議会の議員が住民の直接選挙によって選ばれることと、議会による辞職勧告決議との関係が問題となる。

日本国憲法第98条第2項: 日本国が締結した条約及び確立された国際法規を誠実に遵守する義務との関係が問題となる。日本が批准した自由権規約(ICCPR)を誠実に履行すべき義務との関係が問題となる。

日本国憲法第99条: 市議会議員その他の公務員が負う憲法尊重擁護義務との関係が問題となる。公的機関である市議会が、判決前に有罪を前提とする評価を示したことが、憲法尊重擁護義務と整合するのかが問題となる。

刑事訴訟法第336条: 犯罪の証明がない場合には無罪判決をしなければならないことを定めている。刑事裁判における無罪推定の原則との関係が問題となる。

地方自治法第117条: 普通地方公共団体の議会の議員が、自己又は一定の親族等の一身上に関する事件について議事に参与することができないとする規定との関係が問題となる。本人を退場させることと、本人に弁明又は反論の機会を保障することは別の問題であり、本件ではその手続的意味が問題となる。

地方自治法第135条: 地方議会議員に対する懲罰の法定手続と、辞職勧告決議が実質的に与えた不利益との関係が問題となる。

国際人権条約

自由権規約(ICCPR)第14条第1項: 公平な裁判を受ける権利との関係が問題となる。判決前に公的機関が有罪を前提とする評価を示し、その評価が報道及び社会的評価を通じて広がった場合に、その影響下で行われた刑事手続及び裁判が、公正な裁判を受ける権利を十分に保障したものといえるのかが問題となる。

自由権規約(ICCPR)第14条第2項: 刑事上の罪に問われている者は、法律により有罪と認められるまでは無罪と推定される権利を保障される。本件では、初公判前、判決前に、公的機関である市議会が有罪を前提とする評価を示したこと自体が、無罪推定の原則との関係で問題となる。

自由権規約(ICCPR)第14条第3項g: 刑事上の罪に問われている者が、自己に不利益な供述又は有罪の自白を強要されない権利との関係が問題となる。刑事裁判を控えた本人が、議員全員協議会における説明を求められ、その内容が後に辞職勧告決議の理由として扱われたこととの関係が問題となる。

自由権規約(ICCPR)第2条第3項: 規約上の権利侵害に対する実効的救済を確保する義務との関係が問題となる。人権侵害の是正を求める申入れを受けた後の対応と、実効的救済を確保する義務との関係が問題となる。

条約の履行及び解釈に関する基準

条約法に関するウィーン条約(VCLT)第26条: 効力を有する条約は当事国を拘束し、誠実に履行されなければならない。日本が批准した自由権規約(ICCPR)を誠実に履行すべき義務との関係が問題となる。

条約法に関するウィーン条約(VCLT)第27条: 国内法を理由として、条約上の義務を履行しないことを正当化できない。辞職勧告決議が国内法上、法的拘束力のない政治的意思表示であること、地方議会による行為であること、又は議会内部の問題であることを理由として、自由権規約(ICCPR)第14条第2項が保障する無罪推定の問題を回避できるのかが問題となる。

一般的意見第32号第30項: すべての公的機関には、刑事裁判の結果を予断しない義務があることを示している。本件では、公的機関である須賀川市議会が、初公判前、判決前に、在職中に飲酒運転をしたことを前提とする断定的評価を示したこととの関係が問題となる。

一般的意見第32号第41項: 自らに不利益な供述又は自白を強要されない権利について、直接又は間接の身体的圧力及び不当な心理的圧力が存在しないことを求める国際基準との関係が問題となる。

一般的意見第31号: 規約上の権利侵害に対する実効的救済、継続する侵害の停止及び適切な是正措置との関係が問題となる。

※各規定の詳しい解釈、本件への適用及び相互関係については、法的主張と違憲違法構造の整理で検討する。

本件との関係

本資料は、2011年から2012年にかけて行われた4度の辞職勧告決議のうち、第2回辞職勧告決議に関する議事録である。

第1回辞職勧告決議は、本人が勾留中で本会議を欠席した状態で可決された。

これに対し、第2回辞職勧告決議では、本人は本会議に出席していたが、地方自治法第117条を理由として退場を求められた。

本人が退場した後、提出者による提案理由の説明、質疑、委員会付託及び討論の省略並びに採決が行われた。

第2回辞職勧告決議の提案理由では、2011年11月24日の議員全員協議会において、本人が飲酒運転を認めたと説明されている。

しかし、この発言がされた状況を無視することはできない。

2011年11月24日の議員全員協議会では、本人は、弁護士がいない状態で、本人1人に対し他の議員26人という著しく不均衡な状況で説明を求められた。

本人は、刑事裁判を控えた状態で、自己に不利益となり得る事項について説明を求められた。

本人と他の議員らが、自由かつ対等な立場で意見を交わす状況ではなかった。

日本国憲法第38条第1項は、何人も、自己に不利益な供述を強要されないと定めている。

2011年11月24日の議員全員協議会は、警察又は検察による取調べではない。

しかし、刑事事件に関係する事項について、弁護士不在の状態で、本人1人に対し他の議員26人という著しく不均衡な状況に置かれた本人がした説明を、通常の自由な意思に基づく説明と同様に扱うことができるのかは、慎重に検討されなければならない。

さらに、第2回辞職勧告決議では、本人が裁判結果を待って進退を判断するとしていたことを含む対応について、社会正義に反し、議会の決定を著しく軽視するものであると評価された。

また、有罪判決が確定する前であるにもかかわらず、在職中に飲酒運転をしたことは言語道断であると断定的に述べられた。

刑事責任は、本来、刑事裁判によって判断される。

有罪判決が確定する前の者は、無罪と推定される。

本人が裁判結果を待って進退を判断するとしたことは、無罪推定を前提とするならば、当然に尊重されるべき対応である。

本件でまず問題となるのは、第2回辞職勧告決議が、その後の刑事裁判に現実にどのような影響を与えたかではない。

問題の核心は、初公判前、判決前の段階で、公的機関である須賀川市議会が、本人について飲酒運転をしたことを前提とする評価を示し、その評価に基づいて議員辞職を求める公的意思表示を行ったこと自体にある。

無罪推定は、裁判所の判断が出る前に、国家機関又は公的機関が刑事責任を既に確定したもののように扱うことを禁じる原則である。

したがって、刑事裁判への現実の影響が具体的に証明されるかどうかとは別に、第2回辞職勧告決議は、無罪推定との関係で重大な問題を含む。

裁判への影響、報道への影響、社会的評価への影響、議員活動への圧力は、無罪推定侵害の成否そのものではなく、その侵害の重大性及び救済の必要性を基礎づける事情として検討されるべきである。

このように、第2回辞職勧告決議の問題は、本人の説明が実際に刑事裁判に影響したかどうかだけに限定されない。

公的機関である須賀川市議会が、初公判前、判決前の段階で、本人に不利な状況でされた説明を犯罪行為を認めたものとして扱い、裁判結果を待つという本人の意思を否定的に評価し、再度の辞職勧告決議を全会一致で可決したこと自体が問題である。

したがって、本資料は、単に第2回辞職勧告決議が行われたことを示す資料ではない。

本資料は、本人に不利な状況でされた説明が、犯罪行為を認めたとの評価に変換され、その評価が、裁判結果を待つという本人の意思を否定し、初公判前の公的な断罪へとつながった過程を示す重要な資料である。

また、本件では、司法権との関係も検討する必要がある。

刑事責任の有無を判断する司法権は、裁判所に属する。

須賀川市議会には、本人が刑事事件について有罪であるか否かを終局的に判断する権限はない。

それにもかかわらず、第2回辞職勧告決議では、初公判前に、在職中に飲酒運転をしたことは言語道断であると断定的に述べられた。

また、本人が裁判結果を待って進退を判断するとした姿勢についても、社会正義に反し、議会の決定を著しく軽視するものと評価した。

これは、単なる政治的意見の表明にとどまらない。

裁判所が判断すべき犯罪事実について、市議会が判決前に断定的評価を示し、裁判所による判断を待つという本人の意思まで否定したものである。

よって、本件では、市議会が裁判所による司法判断を先取りし、司法権の領域に踏み込んだのではないかという問題についても検証する必要がある。

さらに、辞職勧告決議が国内法上、法的拘束力のない政治的意思表示であるとしても、そのことによって、自由権規約(ICCPR)第14条第2項が保障する無罪推定の問題を回避できるわけではない。

条約法に関するウィーン条約(VCLT)第27条との関係でも、国内制度上の説明によって、条約上の義務を履行しないことが正当化されるのかが問われる。

したがって、本資料は、自己に不利益な供述を強要されない権利、無罪推定、適正手続、司法権の所在、公平な裁判及び条約上の義務の関係を一体として検証する上で重要な資料である。

関連資料

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事件の記録と検証

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事件の記録と検証 第2部

事件の記録と検証 第3部

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証拠・文書群

法的主張と違憲違法構造の整理

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須賀川市議会議事録―第2回辞職勧告決議の提案理由と採決状況

須賀川市議会議事録―第3回辞職勧告決議の提案理由と採決状況

須賀川市議会議事録―第4回辞職勧告決議の提案理由と採決状況

須賀川市議会議会運営委員会会議録―起訴前勾留中の第1回辞職勧告決議に向けた内部協議

須賀川市議会議会運営委員会会議録―初公判前の第2回辞職勧告決議に向けた内部協議

須賀川市議会議会運営委員会会議録―判決確定後の第3回辞職勧告決議に向けた内部協議

須賀川市議会議会運営委員会会議録―判決確定後・辞職前の第4回辞職勧告決議に向けた内部協議

統合検証―逮捕から第2回辞職勧告決議まで

須賀川市提出文書―人権侵害の検証と是正を求めた申入書

須賀川市議会提出文書―辞職勧告決議の検証と是正を求めた陳情書

須賀川市議会内部文書―人権侵害の是正を求める陳情書に関する会派代表者会議協議会結果報告

須賀川市内部文書―人権侵害の是正申入れ後に実施された法律相談

須賀川市議会内部文書―人権侵害の是正申入れ後に実施された法律相談

須賀川市発出文書―人権侵害の是正申入れに対する最終回答

関連する規範記事:

規範篇―自由権規約(ICCPR)第14条第2項:無罪推定の原則

規範篇―一般的意見32号第30項:公的機関による判決前の裁判結果の予断禁止

規範篇―自由権規約第2条第3項:実効的救済を受ける権利

規範篇―一般的意見31号第15項:調査義務と救済不実施それ自体の問題

規範篇―条約法に関するウィーン条約(VCLT)第27条:国内制度を理由に条約義務を免れられるのか

関連する時系列:

2011年(平成23年)10月18日 本件事故が発生したとされた。

2011年(平成23年)10月19日 圓谷年雄が警察署に任意出頭した後、逮捕状に基づいて通常逮捕され勾留開始。現行犯逮捕ではなかった。

2011年(平成23年)10月24日 第1回辞職勧告決議前の議会運営委員会

2011年(平成23年)10月26日 第1回辞職勧告決議

2011年(平成23年)11月9日 起訴され、その後保釈された。

2011年(平成23年)11月28日 第2回辞職勧告決議前の議会運営委員会

2011年(平成23年)12月1日 第2回辞職勧告決議

2012年(平成24年)1月16日 有罪判決

2012年(平成24年)1月31日 判決確定

2012年(平成24年)2月7日 第3回辞職勧告決議前の議会運営委員会

2012年(平成24年)2月9日 第3回辞職勧告決議

2012年(平成24年)2月27日 第4回辞職勧告決議前の議会運営委員会

2012年(平成24年)3月1日 第4回辞職勧告決議

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Sukagawa City Council Minutes—Proposal Reasons and Voting Record of the Second Recommendation for Resignation

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