資料の概要
資料名:
申入書について(回答)
文書番号:
7市協第16号
作成日:
2025年(令和7年)4月28日
作成主体:
須賀川市
発出者:
須賀川市長 大寺正晃
宛先:
圓谷年雄
対象となる申入書:
2025年(令和7年)4月3日付で提出された申入書
取得経路:
本人宛に送付された回答文書として取得
資料の種類:
申入書に対する市長名の回答文書
掲載形式:
個人情報等を必要な範囲で非公開処理したPDF
原文PDF:
Skip to PDF contentこの資料で確認できる事実
本資料は、2025年(令和7年)4月3日付で提出された申入書に対し、須賀川市が2025年(令和7年)4月28日付で行った回答文書である。
文書番号は、7市協第16号である。
発出者は、須賀川市長 大寺正晃である。
宛先は、圓谷年雄である。
件名は、「申入書について(回答)」である。
本文では、まず、日頃から市政各般にわたり理解と協力を賜っていることへの謝意が述べられている。
その上で、2025年(令和7年)4月3日付で提出された申入れについて、市として適正に処理したものと考えているので理解願いたい、との回答が記載されている。
さらに、法務局では、人権侵害についての相談及び被害の申告を受け付けており、中立公正な立場で調査を行い、必要に応じて適切な措置をとる救済制度がある、との案内が記載されている。
事務担当は、市民協働推進課市民活動支援係である。
この資料からは、須賀川市が、申入書に対し、過去の辞職勧告決議やその後の対応について実質的な検証結果を示すのではなく、「市として適正に処理した」とする結論を示したことが確認できる。
また、市が、申入れの内容について自ら具体的な是正措置を示すのではなく、法務局の人権救済制度を案内したことも確認できる。
重要な記載
本資料で特に重要なのは、須賀川市が、2025年(令和7年)4月3日付の申入れについて、「市として適正に処理したものと考えております」と回答している点である。
この回答は、申入書で指摘された問題について、須賀川市が違法性又は不適正を認めなかったことを示している。
しかし、本資料には、なぜ適正に処理したといえるのかについて、具体的な理由付けは記載されていない。
また、申入書で問題とされた過去の辞職勧告決議、判決前の公的有罪視、無罪推定、適正手続、自由権規約第14条第2項、自由権規約第2条第3項、憲法第98条第2項及び第99条との関係について、個別の検討内容は示されていない。
本資料で示されているのは、結論として「市として適正に処理した」という判断である。
そのため、本資料は、須賀川市が、申入れに対して実質的な検証結果を示した文書というより、申入れに対する市としての最終的な回答を示す文書と位置付けられる。
さらに重要なのは、本資料が、2025年(令和7年)4月19日に実施された法律相談を経た後に発出された回答文書である点である。
本件では、2025年(令和7年)4月19日に、市側が法律相談を実施している。
その法律相談に関する内部資料では、逮捕されているため、有罪に近い推定がされても問題ない、という趣旨の整理が確認されている。
これは、本件の核心に関わる記載である。
なぜなら、本件で問題としているのは、まさに、判決前に公的機関が有罪を前提とするような扱いを行ったことが、自由権規約第14条第2項の無罪推定に反しないのかという点だからである。
したがって、本資料における「市として適正に処理した」という回答は、4月19日の法律相談と切り離して読むべきではない。
4月19日の法律相談を経た上で、4月28日に「適正に処理した」と回答している以上、市がどのような法的前提に基づいてこの回答を行ったのかが問題となる。
特に、逮捕されていることを理由として、有罪に近い推定がされても問題ないという整理が、市の回答判断に影響していたのかは重要である。
もし、そのような整理を前提として「適正に処理した」と回答したのであれば、本資料は、単なる回答文書ではなく、無罪推定に反する可能性のある法的理解を前提として、市が是正を拒否したことを示す資料となる。
さらに、本資料では、法務局の人権救済制度が案内されている。
本文では、法務局では、人権侵害についての相談及び被害の申告を受け付けており、中立公正な立場で調査を行い、必要に応じて適切な措置をとる救済制度があると説明されている。
この記載は、市が、本件の人権侵害の主張について、自ら実質的な調査又は是正措置を行うのではなく、法務局の救済制度を紹介する形で対応したことを示している。
しかし、本件で問題となっているのは、私人間の紛争ではない。
問題となっているのは、須賀川市議会による辞職勧告決議、須賀川市及び須賀川市議会のその後の対応、並びに公的機関による無罪推定及び実効的救済の問題である。
したがって、法務局の人権救済制度を案内したことによって、須賀川市自身が負うべき検証、説明又は是正の問題が解消されるのかが問われる。
特に、自由権規約第2条第3項は、規約上の権利又は自由を侵害された者に対し、実効的救済を確保する義務を定めている。
また、一般的意見31号第15項は、実効的救済が形式的な回答にとどまるものではなく、必要に応じて賠償又は修復、原状回復、公式謝罪、再発防止、関連する実務の変更などを含み得ることを示している。
この観点から見ると、本資料は、須賀川市が申入れをどのように実質的に検証したのか、また、どのような救済又は是正措置を検討したのかを確認する上で、重要な資料である。
同時に、本資料は、4月19日の法律相談を経た後で、市が「適正に処理した」と回答し、具体的な検証内容や是正措置を示していないことを確認する資料でもある。
この資料から生じる疑問
1 「市として適正に処理した」とする理由は何か
本資料では、2025年(令和7年)4月3日付の申入れについて、市として適正に処理したものと考えていると記載されている。
しかし、その理由は具体的に示されていない。
申入書で問題とされたのは、過去の辞職勧告決議及びその後の対応についての憲法的問題、自由権規約上の問題、無罪推定、適正手続、実効的救済の問題である。
それにもかかわらず、本資料では、どの事実を確認し、どの法規範に照らし、どのような理由で適正と判断したのかが示されていない。
したがって、「適正に処理した」という結論だけで、申入書に対する実質的回答といえるのかが問題となる。
2 4月19日の法律相談を経た上で、この回答が出されたことをどう評価すべきか
本資料は、2025年(令和7年)4月28日付の回答文書である。
これに先立ち、2025年(令和7年)4月19日には、市側の法律相談が実施されている。
その法律相談に関する内部資料では、逮捕されているため、有罪に近い推定がされても問題ない、という趣旨の整理が確認されている。
本件で問題となっているのは、まさに、判決前の段階で、公的機関が有罪を前提とするような扱いをしたことが、自由権規約第14条第2項の無罪推定に反しないのかという点である。
そのため、4月19日の法律相談を経た後に、4月28日付で「市として適正に処理した」と回答したことは重要である。
この回答が、4月19日の法律相談で示された法的整理を前提としていたのか。
また、逮捕されていることを理由として、有罪に近い推定がされても問題ないという理解を前提に、是正を不要と判断したのか。
この点を検証する必要がある。
3 「逮捕されているため、有罪に近い推定がされても問題ない」という整理は、自由権規約第14条第2項と両立するのか
自由権規約第14条第2項は、刑事上の罪に問われている者は、法律に基づいて有罪と証明されるまでは無罪と推定されると定めている。
また、一般的意見32号第30項は、すべての公的機関が裁判結果を予断することを控えるべきであると示している。
さらに、同項は、未決拘禁の期間の長さが、有罪であること又はその程度を示すものとして扱われてはならないと述べている。
この規範からすれば、逮捕又は勾留されていることを理由として、有罪に近い推定がされても問題ないと整理することは、無罪推定との関係で重大な疑問を生じさせる。
本件では、第1回辞職勧告決議が、起訴前、勾留中、本人欠席の段階で行われている。
その後、2025年の法律相談において、逮捕されているため、有罪に近い推定がされても問題ないという趣旨の整理がされたのであれば、その整理自体が、自由権規約第14条第2項及び一般的意見32号第30項に照らして問題となる。
したがって、本資料における「適正に処理した」という回答は、その前提となった法的理解の当否とあわせて検証する必要がある。
4 自由権規約上の問題について、市は実質的に検討したのか
本件では、判決前の辞職勧告決議が自由権規約第14条第2項の無罪推定との関係で問題となる。
また、2025年以降の検証及び是正の不実施は、自由権規約第2条第3項の実効的救済との関係で問題となる。
しかし、本資料には、自由権規約第14条第2項、自由権規約第2条第3項、一般的意見32号第30項、一般的意見31号第15項又は第16項に関する具体的検討は記載されていない。
日本は1979年(昭和54年)に自由権規約を批准している。
したがって、2011年(平成23年)時点においても、2025年(令和7年)時点においても、自由権規約上の義務は日本に存在していた。
このことから、本資料において、市が自由権規約上の問題をどのように検討したのかが問題となる。
5 法務局の人権救済制度を案内すれば、市自身の検証義務は尽くされたことになるのか
本資料では、法務局の人権救済制度が案内されている。
しかし、本件で問題となっているのは、須賀川市議会及び須賀川市という公的機関の行為又は対応である。
自由権規約第2条第3項は、規約上の権利又は自由を侵害された者に対し、実効的救済を確保することを求めている。
また、同項は、侵害が公的資格で行動する者によって行われた場合にも、実効的救済を確保すべきことを定めている。
したがって、市が法務局の制度を案内したことだけで、市自身が申入れの内容を検証し、必要な説明又は是正措置を検討する責任が消えるのかが問題となる。
少なくとも、本資料だけからは、須賀川市自身が申入書の内容について実質的な検証を行ったかどうかは明らかではない。
6 形式的回答だけで、実効的救済といえるのか
自由権規約第2条第3項は、規約上の権利又は自由を侵害された者に対し、実効的な救済を確保することを求めている。
一般的意見31号第15項は、実効的救済が、単なる形式的対応ではなく、必要に応じて賠償又は修復、原状回復、公式謝罪、再発防止、関連する実務の変更などを含み得ることを示している。
本資料では、「市として適正に処理した」との結論と、法務局の人権救済制度の案内が記載されている。
しかし、過去の辞職勧告決議について、市がどのような調査を行い、どのような法的評価を行い、どのような是正措置を検討したのかは記載されていない。
そのため、本資料の回答が、自由権規約第2条第3項及び一般的意見31号第15項が求める実効的救済の内容を満たすものといえるのかが問題となる。
7 「適正に処理した」という回答は、問題を現在に固定化するものではないか
本件では、2011年(平成23年)から2012年(平成24年)にかけて、須賀川市議会による辞職勧告決議が行われた。
その後、2025年(令和7年)に、過去の辞職勧告決議の憲法的問題及び自由権規約上の問題について、検証及び是正が求められている。
本資料は、その申入れに対し、須賀川市が「適正に処理した」と回答した文書である。
この回答により、過去の辞職勧告決議及びその後の対応について、市として問題を認めず、是正措置を講じない立場が示されたといえる。
したがって、本資料は、過去の問題に対する単なる回答文書ではなく、2025年時点で、須賀川市が当該問題をどのように扱ったのかを示す資料である。
この点で、本資料は、過去の人権侵害又はその疑いが、現在まで救済されず、固定化されているのではないかという問題を検討する上で重要である。
8 市と市議会の関係はどのように整理されるのか
本件の辞職勧告決議を行った主体は、須賀川市議会である。
一方で、本資料の発出者は、須賀川市長である。
したがって、市長部局と議会は、機関として区別される。
しかし、本件では、2025年以降、須賀川市及び須賀川市議会の双方に対して、過去の辞職勧告決議及びその後の対応に関する検証及び是正が求められている。
また、市側の回答においても、自由権規約上の問題、実効的救済、法務局の人権救済制度の案内が関係している。
このため、本資料を検討する際には、須賀川市長部局がどの範囲で責任を負うのか、須賀川市議会がどの範囲で検証又は説明を行うべきなのか、両者の関係を整理する必要がある。
少なくとも、本資料だけで、市議会自身の検証又は是正の問題が解消されるわけではない。
9 人権救済制度を案内したことは、実効的救済の提供といえるのか
本資料では、法務局の人権救済制度について、相談及び被害の申告を受け付け、中立公正な立場で調査を行い、必要に応じて適切な措置をとる制度であると説明されている。
しかし、これは、須賀川市が自ら実施した救済措置ではない。
あくまで、別機関である法務局の制度を案内したものである。
自由権規約第2条第3項との関係では、権利侵害の主張に対して、権限ある機関が実効的救済を確保したのかが問題となる。
したがって、法務局の制度を案内するだけで、須賀川市自身が実効的救済を提供したといえるのかは、慎重に検討する必要がある。
本件では、須賀川市及び須賀川市議会自身がどのような検証、説明、是正措置を行ったのかが、引き続き問題となる。
関連法規・条約・国際法上の基準
国内法
日本国憲法第13条: 個人の尊重、人格権、名誉及び社会的評価との関係が問題となる。過去の辞職勧告決議及びその後の市の対応が、本人の人格的利益にどのような影響を与えたのかを検討する必要がある。
日本国憲法第16条: 請願権との関係が問題となる。申入れ又は陳情によって権利侵害の検証及び是正を求めた場合、公的機関がどのように対応すべきかが問題となる。
日本国憲法第31条: 適正手続との関係が問題となる。判決前の辞職勧告決議及びその後の検証拒否又は形式的処理が、適正手続との関係で問題となる。
日本国憲法第37条: 公平な裁判所による公正な裁判を受ける権利との関係が問題となる。判決前の公的有罪視及びその後の救済不実施が、刑事裁判の公正とどのように関係するのかを検討する必要がある。
日本国憲法第98条第2項: 日本国が締結した条約及び確立された国際法規を誠実に遵守することを定める。自由権規約及び条約法に関するウィーン条約の国内的意義との関係で重要である。
日本国憲法第99条: 公務員の憲法尊重擁護義務を定める。地方公共団体の長及び職員が、憲法及び条約上の人権保障をどのように尊重すべきかが問題となる。
地方自治法第89条第1項から第3項: 地方議会を、住民が選挙した議員により組織される議事機関として位置付け、議会の権限及び議員の誠実な職務遂行を定める。議会が自ら行った過去の公的意思表示について、後に憲法上及び自由権規約上の問題を指摘された場合、どのように検証し説明すべきかを検討する上で重要である。
国際人権条約
自由権規約第14条第2項: 無罪推定を定める。本件では、判決前の辞職勧告決議がこの規定との関係で問題となる。
自由権規約第2条第3項: 自由権規約上の権利又は自由を侵害された者が、実効的な救済を受けることを確保する義務を定める。本資料では、市が申入れに対し、実効的救済を提供したといえるのかが問題となる。
自由権規約第14条第1項: 公正な裁判を受ける権利を定める。判決前の公的有罪視及びその後の救済不実施が、刑事裁判の公正とどのように関係するのかが問題となる。
自由権規約第25条: 政治参加権との関係が問題となる。選挙で選ばれた議員に対する辞職勧告決議の反復及びその後の市及び議会の対応が、政治的地位及び議員活動にどのような影響を与えたのかが問題となる。
一般的意見
一般的意見32号第30項: 無罪推定について、すべての公的機関が裁判結果を予断することを控えるべきことを示す。本件の第1回及び第2回辞職勧告決議との関係で重要である。
一般的意見31号第15項: 実効的救済の内容として、賠償又は修復、原状回復、リハビリテーション、公式謝罪、再発防止の保証、関連する法律及び実務の変更などが含まれ得ることを示す。本資料における「適正に処理した」との回答が、実効的救済の内容を満たすものかを検討する上で重要である。
一般的意見31号第16項: 権利侵害について調査を行わないこと、又は違反者を裁判にかけないこと自体が、別個の規約違反を生じさせ得ることを示す。本資料において、市が実質的検証を行ったのかを検討する上で重要である。
条約の履行及び解釈に関する基準
条約法に関するウィーン条約(VCLT)第26条: 効力を有する条約は当事国を拘束し、誠実に履行されなければならない。自由権規約を誠実に履行すべき義務との関係で重要である。
条約法に関するウィーン条約(VCLT)第27条: 国内法を理由として条約上の義務を履行しないことを正当化できない。国内制度上の説明、機関の区別、又は法務局制度の案内を理由に、自由権規約上の問題を検討しなくてよいことになるのかが問題となる。
本件との関係
本資料は、2025年(令和7年)4月3日付で提出された申入書に対し、須賀川市が2025年(令和7年)4月28日付で回答した文書である。
本件では、2011年(平成23年)から2012年(平成24年)にかけて、須賀川市議会による辞職勧告決議が行われている。
特に、第1回辞職勧告決議は、起訴前、勾留中、本人欠席の段階で行われている。
第2回辞職勧告決議は、起訴後ではあるが、初公判前、判決前、本人退場後に行われている。
これらの辞職勧告決議は、自由権規約第14条第2項の無罪推定との関係で問題となる。
その後、2025年(令和7年)4月3日、本人は、須賀川市に対して、過去の辞職勧告決議及びその後の対応について、検証及び是正を求める申入書を提出した。
その申入れを受け、須賀川市側では、2025年(令和7年)4月19日に法律相談が実施されている。
この法律相談に関する内部資料では、逮捕されているため、有罪に近い推定がされても問題ない、という趣旨の整理が確認されている。
その後、2025年(令和7年)4月28日付で、本資料である回答文書が発出された。
つまり、本資料は、4月19日の法律相談を経た後に、須賀川市が最終的に「市として適正に処理した」と回答した文書である。
この時系列は重要である。
なぜなら、4月19日の法律相談で示された、逮捕されているため有罪に近い推定がされても問題ないという趣旨の整理は、本件の無罪推定上の問題そのものに関わるからである。
自由権規約第14条第2項は、刑事上の罪に問われている者は、法律に基づいて有罪と証明されるまでは無罪と推定されると定めている。
また、一般的意見32号第30項は、すべての公的機関が裁判結果を予断することを控えるべきであると示している。
さらに、未決拘禁の期間の長さは、有罪であること又はその程度を示すものとして扱われてはならないとされている。
この規範に照らすと、逮捕又は勾留されていることを理由に、有罪に近い推定がされても問題ないとする整理は、無罪推定との関係で重大な問題を含む。
したがって、本資料における「市として適正に処理した」という回答は、単独で読むべきではない。
4月19日の法律相談を経た上で、なお市が「適正に処理した」と回答したものとして読む必要がある。
この回答は、須賀川市が、申入れに対し、市として問題を認めず、是正措置を講じない立場を示したものと理解される。
しかし、本資料には、過去の辞職勧告決議について、市がどのような事実確認を行い、どのような法的評価を行い、どのような理由で適正と判断したのかは具体的に記載されていない。
また、自由権規約第14条第2項の無罪推定、自由権規約第2条第3項の実効的救済、一般的意見32号第30項、一般的意見31号第15項及び第16項との関係についても、個別の検討内容は示されていない。
この点で、本資料は、須賀川市が申入書に対して実質的な検証結果を示した資料というより、結論として「適正に処理した」と回答した資料である。
さらに、本資料では、法務局の人権救済制度が案内されている。
しかし、本件で問題となっているのは、須賀川市議会による辞職勧告決議及び須賀川市又は須賀川市議会のその後の対応である。
つまり、問題の中心には、公的機関自身の行為及び対応がある。
したがって、法務局の人権救済制度を案内したことによって、須賀川市自身が負うべき検証、説明又は是正の問題が解消されるのかが問われる。
自由権規約第2条第3項は、規約上の権利又は自由を侵害された者に対し、実効的救済を確保することを求めている。
また、一般的意見31号第15項は、実効的救済の内容が、単なる形式的回答にとどまらず、必要に応じて賠償又は修復、原状回復、公式謝罪、再発防止、関連する実務の変更などを含み得ることを示している。
さらに、一般的意見31号第16項は、権利侵害について調査を行わないこと自体が、別個の規約違反を生じさせ得ることを示している。
この観点からすると、本資料は、2025年時点において、須賀川市が本件の人権侵害の主張に対し、どのような救済又は是正措置を講じたのかを検証する上で重要である。
仮に、申入れに対して、実質的な事実確認、法的評価、説明、謝罪、再発防止又は実務の見直しが行われず、単に「適正に処理した」と回答するにとどまったのであれば、それが自由権規約第2条第3項の実効的救済といえるのかが問題となる。
また、本資料は、過去の辞職勧告決議の問題が、2025年時点でも救済されず、是正されないまま維持されたのではないかという問題を検討する資料でもある。
したがって、本資料は、2011年から2012年の辞職勧告決議そのものを検証する資料であると同時に、2025年4月19日の法律相談を経た上で発出された須賀川市の最終回答として、救済不実施又は形式的処理の問題を検証するための重要資料である。
本件との関係
本資料は、2025年(令和7年)4月3日付で提出された申入書に対し、須賀川市が2025年(令和7年)4月28日付で回答した文書である。
本件では、2011年(平成23年)から2012年(平成24年)にかけて、須賀川市議会による辞職勧告決議が行われている。
特に、第1回辞職勧告決議は、起訴前、勾留中、本人欠席の段階で行われている。
第2回辞職勧告決議は、起訴後ではあるが、初公判前、判決前、本人退場後に行われている。
これらの辞職勧告決議は、自由権規約第14条第2項の無罪推定との関係で問題となる。
その後、2025年(令和7年)4月3日、本人は、須賀川市に対して、過去の辞職勧告決議及びその後の対応について、検証及び是正を求める申入書を提出した。
本資料は、その申入書に対し、須賀川市が「市として適正に処理したものと考えております」と回答した文書である。
この回答は、須賀川市が、申入れに対し、市として問題を認めず、是正措置を講じない立場を示したものと理解される。
しかし、本資料には、過去の辞職勧告決議について、市がどのような事実確認を行い、どのような法的評価を行い、どのような理由で適正と判断したのかは具体的に記載されていない。
また、自由権規約第14条第2項の無罪推定、自由権規約第2条第3項の実効的救済、一般的意見32号第30項、一般的意見31号第15項及び第16項との関係についても、個別の検討内容は示されていない。
この点で、本資料は、須賀川市が申入書に対して実質的な検証結果を示した資料というより、結論として「適正に処理した」と回答した資料である。
さらに、本資料では、法務局の人権救済制度が案内されている。
しかし、本件で問題となっているのは、須賀川市議会による辞職勧告決議及び須賀川市又は須賀川市議会のその後の対応である。
つまり、問題の中心には、公的機関自身の行為及び対応がある。
したがって、法務局の人権救済制度を案内したことによって、須賀川市自身が負うべき検証、説明又は是正の問題が解消されるのかが問われる。
自由権規約第2条第3項は、規約上の権利又は自由を侵害された者に対し、実効的救済を確保することを求めている。
また、一般的意見31号第15項は、実効的救済の内容が、単なる形式的回答にとどまらず、必要に応じて賠償又は修復、原状回復、公式謝罪、再発防止、関連する実務の変更などを含み得ることを示している。
さらに、一般的意見31号第16項は、権利侵害について調査を行わないこと自体が、別個の規約違反を生じさせ得ることを示している。
この観点からすると、本資料は、2025年時点において、須賀川市が本件の人権侵害の主張に対し、どのような救済又は是正措置を講じたのかを検証する上で重要である。
仮に、申入れに対して、実質的な事実確認、法的評価、説明、謝罪、再発防止又は実務の見直しが行われず、単に「適正に処理した」と回答するにとどまったのであれば、それが自由権規約第2条第3項の実効的救済といえるのかが問題となる。
また、本資料は、過去の辞職勧告決議の問題が、2025年時点でも救済されず、是正されないまま維持されたのではないかという問題を検討する資料でもある。
したがって、本資料は、2011年から2012年の辞職勧告決議そのものを検証する資料であると同時に、2025年時点における須賀川市の対応、すなわち救済不実施又は形式的処理の問題を検証するための重要資料である。
関連資料
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関連する時系列:
2025年(令和7年)4月3日 圓谷年雄が、須賀川市に対して、辞職勧告決議により生じた人権侵害の是正を求める申入れを行い、あわせて須賀川市議会に対して陳情を行った。
2025年(令和7年)4月8日 須賀川市議会側において、本件陳情に関する会派代表者会協議会が開催された。
2025年(令和7年)4月19日 須賀川市側及び須賀川市議会側において、本件申入れ及び陳情に関する法律相談が行われた。
2025年(令和7年)4月28日 須賀川市から、本件申入れについて「適正に処理した」とする最終回答が行われた。
