資料の概要
資料名:
平成23年(わ)第177号 道路交通法違反被告事件 公判期日召喚状
作成日:
2011年(平成23年)11月14日
作成主体:
福島地方裁判所郡山支部
裁判官:
根崎修一
事件番号:
平成23年(わ)第177号
事件名:
道路交通法違反被告事件
宛先:
被告人 圓谷年雄
公判期日:
2011年(平成23年)12月26日午前10時00分
公判場所:
福島地方裁判所郡山支部332号法廷 3階
取得経路:
本人保管資料
資料の種類:
公判期日召喚状
掲載形式:
個人情報等を必要な範囲で非公開処理したPDF
原文PDF:
Skip to PDF contentこの資料で確認できる事実
本件の事件番号が、平成23年(わ)第177号であることが確認できる。
対象事件が、圓谷年雄を被告人とする道路交通法違反被告事件であることが確認できる。
公判期日召喚状は、2011年(平成23年)11月14日付で、福島地方裁判所郡山支部の裁判官名により作成されている。
公判期日は、2011年(平成23年)12月26日午前10時に指定されている。
公判が開かれる場所は、福島地方裁判所郡山支部332号法廷、3階と指定されている。
被告人に対し、指定された日時及び法廷への出頭が求められている。
正当な理由なく出頭しない場合には、勾引状を発することがある旨が記載されている。
出頭の際には、この召喚状を差し出すよう記載されている。
重要な記載
本資料には、次のように記載されている。
「平成23年12月26日午前10時00分に公判を開廷するから、当裁判所332号法廷(3階)に出頭されたい。」
この記載により、本件刑事裁判の初公判が2011年12月26日に予定されていたことが確認できる。
また、次のように記載されている。
「正当な理由がなく出頭しないときは、勾引状を発することがある。」
これは、被告人に対する公判期日への出頭命令として、召喚状が法的な効力を有する裁判文書であることを示す記載である。
刑事手続上の位置付け
本資料は、2011年(平成23年)11月9日の起訴後、裁判所が最初の公判期日を指定し、被告人に出頭を求めた文書である。
刑事訴訟法上、裁判長は公判期日を定め、公判期日には被告人を召喚しなければならない。本資料は、この手続に基づいて発付されたものと位置付けられる。
本資料は、被告人の有罪を認定する文書ではない。また、起訴事実が真実であることや、被告人が犯罪を行ったことを証明する文書でもない。
本資料が示しているのは、道路交通法違反被告事件について公判手続が開始されることとなり、その最初の公判期日が2011年12月26日に指定されたという刑事手続上の事実である。
したがって、2011年12月26日より前の段階では、少なくとも公開の法廷における公判審理は開始されていなかったことになる。
この資料から生じる疑問
1 初公判前に公的機関が刑事責任を評価することは許されるのか
本資料により、本件の初公判期日が2011年(平成23年)12月26日であったことが確認できる。
一方、須賀川市議会は、それ以前の2011年10月26日に第1回辞職勧告決議を可決し、さらに2011年12月1日に第2回辞職勧告決議を可決している。
第1回辞職勧告決議は起訴前に、第2回辞職勧告決議は初公判前に行われたものである。
公開の法廷における証拠調べ、被告人質問、検察官及び弁護人の主張が開始されていない段階で、地方議会という公的機関が、被告人の刑事責任に関わる事実をどのような根拠により評価したのかが問われる。
2 起訴と有罪認定が明確に区別されていたのか
起訴は、検察官が裁判所に審判を求める手続であり、有罪判決ではない。
本資料も、被告人の有罪を認定するものではなく、起訴された事件について公判期日を指定し、被告人に出頭を求める手続文書である。
それにもかかわらず、初公判前に行われた第2回辞職勧告決議において、起訴されたという事実と、犯罪事実が証明されたという評価とが明確に区別されていたのかが問われる。
3 刑事裁判を待つという本人の意思が尊重されたのか
2011年11月24日の議員全員協議会では、本人が刑事裁判の結果を待って進退を判断する意思を示していた。
その時点では、本資料によって、初公判が2011年12月26日に開かれることが既に決定されていた。
しかし、須賀川市議会は、初公判まで待つことなく、2011年12月1日に第2回辞職勧告決議を可決した。
裁判結果を待つという本人の意思を退け、公開の公判審理が開始される前に再度の辞職勧告決議を行う必要性及び合理性が、どのように検討されたのかが問われる。
4 初公判期日が既に指定されていたにもかかわらず、なぜ第2回辞職勧告決議を行ったのか
本資料は、2011年11月14日の時点で、初公判期日が同年12月26日に指定されていたことを示している。
第2回辞職勧告決議が可決された2011年12月1日から初公判までは、25日間であった。
したがって、須賀川市議会は、裁判所による最初の公判審理が開始されるまで25日間を待つことなく、再度の辞職勧告決議を行ったことになる。
初公判を待つことができないほどの具体的必要性が存在したのか、その必要性と無罪推定原則との関係が検討されたのかが問われる。
関連法規・条約・国際法上の基準
国内法
日本国憲法第31条: 適正手続の保障との関係が問題となる。本資料は、起訴後、裁判所が最初の公判期日を指定し、被告人に出頭を求めた刑事手続上の文書である。本件では、その公判審理が開始される前に、須賀川市議会が第1回及び第2回辞職勧告決議を行っている。刑事裁判における証拠調べ、被告人の防御及び裁判所による事実認定に先行して、公的機関が刑事責任に関わる評価を行ったことが、適正手続の保障との関係でどのように評価されるのかを検証する必要がある。
日本国憲法第37条第1項: すべての刑事事件において、公平な裁判所による迅速な公開裁判を受ける権利を保障している。本資料は、本件の公開の公判審理が2011年(平成23年)12月26日に開始される予定であったことを示している。一方、須賀川市議会は、その25日前である同年12月1日に第2回辞職勧告決議を可決している。公開の公判審理が始まる前に形成された議会による公的評価及び社会的圧力が、公正な裁判を受ける権利との関係でどのような意味を持つのかを検討する必要がある。
日本国憲法第98条第2項: 日本国が締結した条約及び確立された国際法規を誠実に遵守することを求めている。本件では、自由権規約第14条第1項及び第2項並びに一般的意見32号第30項が示す公正裁判及び無罪推定の基準を、裁判所及び地方議会を含む国内の公的機関の対応においてどのように実現すべきであったのかが問題となる。
刑事訴訟法第57条: 裁判所が、裁判所規則で定める相当の猶予期間を置いて被告人を召喚することができることを定める。本資料は、2011年11月14日付で作成され、同年12月26日を公判期日として指定している。召喚が、被告人に公判への出頭を求めるだけでなく、公判に向けた準備期間を確保する手続でもあることを示す規定である。
刑事訴訟法第58条: 被告人が定まった住居を有しない場合、又は正当な理由なく召喚に応じない場合若しくは応じないおそれがある場合に、裁判所が被告人を勾引できることを定める。本資料に記載された「正当な理由がなく出頭しないときは、勾引状を発することがある」との文言は、この規定に対応する。召喚状が単なる期日の案内ではなく、正当な理由なく出頭しない場合には身体拘束を伴う手続に移行し得る法的文書であることを示している。
刑事訴訟法第62条: 被告人の召喚、勾引又は勾留は、召喚状、勾引状又は勾留状を発して行わなければならないことを定める。本資料は、この規定に基づいて発付された被告人召喚のための正式な裁判文書である。
刑事訴訟法第63条: 召喚状には、被告人の氏名及び住居、罪名、出頭すべき日時及び場所、正当な理由なく出頭しない場合には勾引状を発することがある旨などを記載し、裁判長又は受命裁判官が記名押印しなければならないことを定める。本資料には、被告人の氏名及び住居、道路交通法違反被告事件であること、公判期日、法廷番号、勾引に関する注意、裁判官名及び押印が記載されており、本資料作成当時の同条が定める召喚状の形式に対応している。
刑事訴訟法第65条: 召喚状は送達しなければならないことを定める。召喚は、裁判所が文書を作成しただけではなく、その文書を被告人に送達することによって、公判期日への出頭を法的に求める手続である。本資料から作成日及び公判期日は確認できるが、実際の送達日は本資料だけでは確認できない。
刑事訴訟法第273条: 裁判長が公判期日を定め、公判期日には被告人を召喚し、検察官、弁護人及び補佐人に公判期日を通知しなければならないことを定める。本資料は、根崎修一裁判官が本件の公判期日を2011年12月26日午前10時と定め、被告人に出頭を求めたことを直接示す資料である。
刑事訴訟法第275条: 第1回公判期日と被告人に対する召喚状の送達との間には、裁判所規則で定める猶予期間を置かなければならないことを定める。この猶予期間は、被告人が起訴内容を確認し、弁護人と協議し、公判に向けた防御の準備を行うための時間を保障する意味を持つ。本資料は第1回公判期日を確認できる資料であるが、実際の送達日は記載されていないため、法定の猶予期間を確定するには送達関係記録との照合が必要である。
国際人権条約 自由権規約(ICCPR)
自由権規約第14条第1項: 刑事上の罪の決定において、法律によって設置された、権限のある独立かつ公平な裁判所による公正な公開審理を受ける権利を保障している。本資料は、本件刑事裁判の最初の公開審理が2011年12月26日に予定されていたことを示す。本件では、その公開審理が開始される前に第1回及び第2回辞職勧告決議が行われており、公判前に形成された公的評価及び社会的圧力と、公正な裁判を受ける権利との関係を検討する必要がある。
自由権規約第14条第2項: 刑事上の罪に問われている者は、法律に基づいて有罪とされるまでは無罪と推定される権利を有することを定める。本資料が発付された段階では、本人は起訴された被告人であったが、有罪判決を受けた者ではなかった。また、第2回辞職勧告決議が行われた2011年12月1日の時点でも、初公判は開始されていなかった。起訴されたことと、有罪が証明されたこととを公的機関が明確に区別していたのかが問題となる。
自由権規約第14条第3項b: 刑事上の罪に問われている者が、防御の準備のために十分な時間及び便益を与えられ、自ら選任した弁護人と連絡する権利を保障している。公判期日の指定及び召喚状の送達は、被告人が防御の準備を行うための時間を確定する手続でもある。本件では、公判準備期間中に第2回辞職勧告決議及び議会による対応が行われたことが、防御環境にどのような影響を与えたのかを検証する必要がある。
自由権規約第14条第3項d: 刑事上の罪の決定に当たり、本人が出席して裁判を受け、自ら又は選任した弁護人を通じて防御する権利を保障している。本資料は、本人に公判への出席を求めた文書であり、この権利を行使する公判の日時及び場所を通知する手続に当たる。第2回辞職勧告決議は、本人が公開の法廷に出席して防御する機会を得る前に行われている。
自由権規約委員会一般的意見32号第30項: 無罪推定により、立証責任は検察側にあり、合理的な疑いを超えて罪が証明されるまでは有罪と推定してはならず、すべての公的機関は裁判の結果について予断を示すことを控えなければならないとの基準を示している。本件では、第1回辞職勧告決議が起訴前に、第2回辞職勧告決議が初公判前に行われている。本資料は、その第2回決議の時点で公判審理すら開始されていなかったことを示す資料として、この基準との関係を検証する上で重要である。
条約の履行及び解釈に関する基準
条約法に関するウィーン条約(VCLT)第26条: 効力を有する条約は当事国を拘束し、誠実に履行されなければならないことを定める。日本が批准した自由権規約に基づく公正裁判及び無罪推定の保障は、単なる理念ではなく、裁判所及び地方議会を含む公的機関の具体的な対応において誠実に実現されなければならない。
条約法に関するウィーン条約(VCLT)第27条: 当事国は、国内法の規定を、条約を履行しないことの正当化として援用することができない。本件では、辞職勧告決議が国内法上法的拘束力を持たない政治的意思表示であることや、議会が刑事裁判を行う機関ではないことを理由として、自由権規約第14条第2項及び一般的意見32号第30項が示す公的機関の予断禁止との関係を検討しなくてよいことになるのかが問題となる。
※各規定の詳しい解釈、本件への適用及び相互関係については、法的主張と違憲違法構造の整理で検討する。
本件との関係
本資料は、本件刑事裁判の初公判が2011年(平成23年)12月26日に指定されていたことを、裁判所作成の文書によって確認できる資料である。
本件では、第1回辞職勧告決議が2011年10月26日に可決され、その後、2011年11月9日に起訴された。
本資料は、起訴から5日後の2011年11月14日に作成され、初公判を同年12月26日午前10時と指定している。
その後、2011年11月24日に議員全員協議会が開かれ、圓谷年雄は刑事裁判の結果を待って進退を判断する意思を示した。
しかし、須賀川市議会は、初公判前の2011年12月1日に第2回辞職勧告決議を可決した。
したがって、第1回辞職勧告決議は起訴前に、第2回辞職勧告決議は初公判の25日前に行われたことになる。
第2回辞職勧告決議の時点では、公開の法廷における証拠調べ、被告人質問、検察官及び弁護人の主張は、いずれも開始されていなかった。
また、本資料を発付した裁判官 根崎修一は、2012年1月16日に本件の有罪判決を言い渡した裁判官でもある。判決書には、事故時刻を午後7時40分頃とする犯罪事実、懲役1年及び執行猶予3年の主文並びに量刑理由が記載されている。
このことから、本資料は、公判期日の確認だけでなく、起訴、初公判期日の指定、第2回辞職勧告決議、初公判及び判決という一連の刑事手続と議会活動との時系列を整理する資料として位置付けられる。
関連資料
関連する固定ページ:
関連する証拠記事:
2011年(平成23年)
須賀川市議会議会運営委員会会議録―起訴前勾留中の第1回辞職勧告決議に向けた内部協議
須賀川市議会議会運営委員会会議録―初公判前の第2回辞職勧告決議に向けた内部協議
2012年(平成24年)
須賀川市議会議会運営委員会会議録―判決確定後の第3回辞職勧告決議に向けた内部協議
須賀川市議会議会運営委員会会議録―判決確定後・辞職前の第4回辞職勧告決議に向けた内部協議
2025年(令和7年)
須賀川市議会提出文書―辞職勧告決議の検証と是正を求めた陳情書
須賀川市議会内部文書―人権侵害の是正を求める陳情書に関する会派代表者会議協議会結果報告
須賀川市内部文書―人権侵害の是正申入れ後に実施された法律相談
須賀川市議会内部文書―人権侵害の是正申入れ後に実施された法律相談
2026年(令和8年)
須賀川市・須賀川市議会宛文書―辞職勧告決議による人権侵害の調査、是正及び救済に関する質問状兼申入書
須賀川市発出文書―係争中の事件に関連するため弁護士に一任するとした回答
須賀川市議会発出文書―「法的解釈を示す機関ではない」として弁護士に一任した回答
須賀川市宛文書―人権侵害救済申立て並びに法的根拠の照会及び是正措置申入書
須賀川市議会宛文書―人権侵害救済申立て並びに法的根拠の照会及び是正措置申入書
須賀川市議会宛文書―一連の辞職勧告決議による違法な人権侵害の調査、再検証、是正及び再発防止措置を求める陳情書
須賀川市発出文書―人権侵害救済申立ては法務局を受付窓口とし、法的根拠の照会等には従前回答を維持した回答
須賀川市議会発出文書―人権侵害救済申立て等に対し「4月23日付回答のとおり」とした回答
関連する規範記事:
規範篇―自由権規約(ICCPR)第14条第2項:無罪推定の原則
規範篇―一般的意見32号30項:公的機関による判決前の裁判結果の予断禁止
規範篇―自由権規約(ICCPR)第2条第3項:実効的救済を受ける権利
規範篇―一般的意見31号15項:調査義務と救済不実施それ自体の問題
規範篇―条約法に関するウィーン条約(VCLT)第27条:国内制度を理由に条約義務を免れられるのか
関連する時系列:
2011年(平成23年)10月18日 本件事故が発生したとされた。
2011年(平成23年)10月19日 圓谷年雄が警察署に任意出頭した後、逮捕状に基づいて通常逮捕され勾留開始。現行犯逮捕ではなかった。
2011年(平成23年)10月24日 第1回辞職勧告決議前の議会運営委員会
2011年(平成23年)10月26日 第1回辞職勧告決議
2011年(平成23年)11月9日 起訴され、その後保釈された。
2011年(平成23年)11月28日 第2回辞職勧告決議前の議会運営委員会
2011年(平成23年)12月1日 第2回辞職勧告決議
2012年(平成24年)1月16日 有罪判決
2012年(平成24年)1月31日 判決確定
2012年(平成24年)2月7日 第3回辞職勧告決議前の議会運営委員会
2012年(平成24年)2月9日 第3回辞職勧告決議
2012年(平成24年)2月27日 第4回辞職勧告決議前の議会運営委員会
2012年(平成24年)3月1日 第4回辞職勧告決議
